照りつけるような炎天が続いても、お盆が過ぎれば、秋冬作の種まきをスタートする必要がある。今年も8月15日に、キャベツとブロッコリーの種を育苗ポットに蒔いた。これらは1ヶ月ほど育苗して、9月15日頃に田んぼに定植するのであるが、ニンジンやインゲンは、直に田んぼに蒔く。
ニンジンやインゲンの種を蒔く準備をするために、2~3回は田んぼを耕運しておきたいが、梅雨明け後は全く雨が降らず、土が乾きすぎていて、耕運には適さない。一雨きてから、もう一度乗用トラクタで耕運して、整地、畝立をしようと思い、ひたすら雨を待っていた。例年この時期の雨は夕立か台風しかもたらしてくれない。今年の雨は台風がもたらしたものだった。強い風は余算だが、雨はとてもありがたい。18日の夕方から19日の早朝にかけて降った雨は、たいした雨量ではなかったが、かといって、少なすぎるほどでもなかった。19日の午後に耕運し、翌20日の午後から、整地、畝立てをして、ニンジンの種を蒔いた。1メートルほどの畝幅に2条蒔きで、15メートルの長さを3列蒔く。1デシリットルの種を買えば足りる。種代は1400円ほどである。
ニンジンは種を蒔いた後、土をかけない(かぶせない)。光好性種子だから、光を感じないと発芽が悪くなる。だから、土をかけないで、焼きすくも(くん炭)、あるいは、すくも(もみがら)をかけて、湿り気保持と、強い夕立によって土の表面がたたかれるのを防ぐ。発芽まで適度な湿り気が保たれれば(残暑が厳しい時期なので、この点がポイント)、5日経過すれば発芽する。ニンジンは病気や害虫は少ないので、発芽さえそろえば(うまくいけば)、成功である。ボクの場合はその後2~3回の「まびき」と、畝間への液肥(500リットル容器2つで作るメタン菌液肥)灌水を2~3回施すくらいで、10月下旬頃、8割成長したくらいから少しずつ出荷を始める。ニンジンはワンパックにぜひ欲しい野菜なので、成長途上で少し惜しいが入れるようにしている。
ニンジンを蒔いた後、つるなしインゲンを1袋蒔いた。インゲンはもう1週間~10日ほど早く蒔いてもよいが、田んぼの耕運の都合上、ニンジンと同時に蒔くようにしている。インゲンは53日~55日で収穫期に入るので、8月20日に蒔けば、計算上10月15日頃には収穫が始まる。10月下旬は、春夏野菜が収穫末期であり、秋冬野菜はまだ生育途上なので、野菜の端境期であり、この時期のワンパックのスペースを埋めてくれる貴重な一品である。発芽の時に山鳩類に食べられないことと、台風による甚大な被害がなければ、一定の収量が期待できる。春夏作でも秋冬作でも、インゲンは「つるなし品種」を蒔く。春には春の嵐が吹くことが多く、秋には台風がたいてい1回は来るので、「つるあり品種」の場合、強風の被害を受けやすい。もうひとつは、とても不器用なため、何年たっても、支柱がうまく立てれないということも、つるなし品種を採用している大きな理由である。とにかく、春はつるあり品種でもよいが、秋はつるなし品種の方が台風の被害が少ないと思う。
ニンジンとインゲンの種まきがすめば、一応やれやれである。この後、25日頃までにレタス(ガーデンレタス、丸レタス、立ちレタスの3種類のレタスを同時に播種する。熟期がずれるので順次収穫できる)の種まき、ハーブ(ディルとチャービル)の種まき、秋冬作のジャガイモの「仮伏せ(芽だしをして定植という手順)」をする。
8月はこの他に、ハクサイの種を8月27日か28日に育苗ポット(キャベツ類と同じ144穴、直径3センチほどの連結ポット)に蒔く。