(今日の夕飯)
タチウオ
うどんの煮物
ダイコンおろし
サラダ・・・レタス、ロケット、イタリアンパセリ
同じ瀬戸内市にある牛窓町に行ってきた。牛窓町はハクサイとキャベツの大産地であり、見渡す限りのハクサイやキャベツである。こういう産地の農業が日本の農業を支えているのだと思う。それに比べれば、有機農業など大河の一滴である。有機農業でいったい何人の胃袋が満たされるだろうか。そんなことをしていたら大多数の人が飢えてしまう。大規模に生産する人がいるから、大多数の人の口が満たされる。
有機農業を大きな大河の流れにしていくには、世の中のシステムがキューバのようになる必要がある。
日本農業新聞を取り始めて1ヶ月がくるが、今の日本の農業の現実がわかってとても参考になる。以下、最近の記事から・・・。
世界の食料逼迫
途上国の人口増やバイオマス燃料需要との競合などで、今後生産が拡大しなければ、食料需給は逼迫する。世界的なバイオマス燃料の需要増で、今後2~3年間は原料となるトウモロコシの需給が逼迫すると見通した。一方、供給面では、食糧増産にブレーキがかかると指摘。異常気象が頻発していることも理由に挙げた。
三井物産がブラジルで農業生産に参入
海外との食料の争奪戦が激しくなる中、生産拠点を自ら整え、日本をはじめ、中国、欧州などに安定供給するのが狙い。三井物産は2010年度までに、穀物、乳製品、水産物など食料資源を確保するために800億円投資する考え。
中国産野菜の輸入増加
10月の統計によると、タマネギの輸入量は2万トンと平年並みに迫り、ネギ、ニンジンも前月を大幅に上回った。9月の輸入急減がうそのような勢い。外食や惣菜企業が、市場での国産仕入れから輸入に徐々に切り替えている。「安全性に不安がないわけではないが、売上高の伸び悩みで、原料調達コストの削減が至上命令」というから、背に腹は代えられぬ措置なのだろう。
野菜価格低迷による産地廃棄(野菜を出荷せずに、そのまま田んぼにすきこむ)を軽減するため農水省は13日、野菜需給調整協議会を東京都内で開いた。秋冬野菜の出荷本格化を前に、生産、流通、小売、消費者の各団体代表が集まり、昨年の産地廃棄を繰り返さないよう重量野菜の需要拡大に取り組むことを確認した。昨年は、11,12月にダイコン、ハクサイ、キャベツが相次ぎ産地廃棄した。暖冬のため豊作も、鍋物需要は減り価格が低迷したため。
農業の足腰を強く
資本主義という経済システムの中で「農業」を考えると、中国を含む世界の大規模農業に日本が価格の面で太刀打ちできるはずがない。20~30羽の農家の庭先養鶏が10~100万羽単位の大規模企業養鶏に移行したように、日本の農業も三井物産のような企業が手掛けていくようになるのだろう。
資本主義というシステムの下では、いくらでも海外から安い農作物が入ってくる。「足腰を強くする・・・」などという考え方がそもそも誤り。元々農業は資本主義の餌食であり、生かさず殺さずで上手に利用されている。
資本主義の下での農業は、安全性より経済性が上位にあるのは当然のことである。
農業の足腰を強くするには、農業を資本主義の枠外に置くことである。工業や商業と同じ資本主義の土俵で農業を捉えるなら、時間回転率(最短でも60日かかる)や設備回転率(その間、他の作物に流用できない)で格段に劣っているのは明らかで勝負にならない。
農業は、個人個人が趣味や楽しみでするものであるなら、環境や安全が必然的に重視されるようになる。ドイツでは市民農園が進んでいて、都市生活者も週末は都市郊外の田舎で家庭菜園にいそしむことが多いらしい。
資本主義はすべてを「分業」という考え方であるが、食べ物の生産に関しては他人任せでなく「自分で作る」という方向に、考え方を変えていかないと、作物を資本主義の「商品」として捉える限り、いつまでたっても作物の安全性は期待できないし、環境もますます悪化する。
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