あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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県が研修生を募集

 岡山県は、新規就農希望者を対象にした農業体験研修生の本年度二次募集を始める。

 野菜や果樹、水稲、花きなど希望品目で、来年2~7月のうち約1ヶ月間、県内の農家に泊まり込んで農作業を体験する。修了後は月15万円程度の支給がある実務研修(2年以内)を受けることもできる。

 対象は55歳未満で農家出身でない県内外の10人程度。所定の申請書に記入し、健康診断書を添えて11月中に応募する。研修費は無料。申し込みは県農業経営課(086-226-7420)

 

 応募は、その人の人生をかけた「賭け」だと思うが、かなり危険な賭けである。今は、農業を含めた個人事業が成り立たない社会である。当集落でも、現役世代は大半がサラリーマンであり、家は帰って寝るだけの場所になっている。

 
 身一つで「賭け」をすることができるならまだしも、農業は施設や農具に大金を投じる必要がある。

 
 もともとの農家であった自分も、農業への転身がひらめいた時から、
(1)自分にできるだろうか

(2)農業高校を出ても、誰も農業をしない時代に、果たして食べていけるだろうか

(3)元手はどのくらいかかるだろうか
 大いに迷った。


 ワンパック宅配という農業形態を知ってから、これなら自分にもできそうな気がした。他の農業形態はとてもできそうな気がしなかった。
 就農後8~10年の頃、他の農業形態に変更しようと、かなり模索したが、結局変えることはできなかった。

 
 農業への転身を考えるのはサラリーマン社会に挫折して第2の人生を考え始めた30代に入ってからだろうから、もうその年齢になると、自分に何ができて何ができないか、何が得意で何が不得意か、どんなことに興味があって、どんなことに興味がないか、大体わかってくる年齢だから、農業形態を選択する場合において、そんなに大きな誤りはしないと思う。まるっきり農業の経験や原風景のない非農家出身でも、田んぼ見学をさせてもらって、施設や農具や田んぼを1~2時間、案内してもらえば、できそうか、できそうでないかは、漠然とながらわかると思う。

 
 ただ、上記のように県が募集をする農業は「有機農業」ではなく、施設などにかなり投資する必要のある農業だと思う。その意味で、応募する時点で500万ほどの貯蓄がないと難しいように思う。
 有機農業者の多くは、野菜を直接顧客に届けたり送ったりしている場合が多いから、そういう人に補助金を出しても、農協にも、県や市町村にも、あまりメリットがない。一概にそうだとは言い切れないが「有機農業=小さな個人の趣味的農業」というイメージがどうしてもつきまとう。少なくともこの20年間、有機農業はこの域からほとんど脱していない。世の中のシステムが「キューバ」のようにならない限り、有機農業で生活をするのは極めて難しいと思う。

 
 1ヶ月15万、1年で180万、2年で360万の補助金が出て、かなり手厚い支援のように見えるが、農業を覚えるまでの2年間の生活費で消えてしまう金額である。

 
 それでも、実務研修を受けて後、引き続いて農業をやってのけれる人はいいが、そうでない場合は、本人は本当に困る。もう、元のサラリーマン社会には戻れないだろう。そしてこういう研修制度のある農業はたいてい「夫婦農業」である。夫婦農業の場合、主となる方によほど能力がないとできないし、片方が病気などになると共倒れの危険性もある。自分の知る範囲では、現役世代では、「夫婦農業」より「一人農業」の方が多い。

 
 果たして農業で食えるだろうかが問題だったので、自分は就農前も就農後も「夫婦農業」など頭に浮かんだことがない。

 
 就農時の年齢も大きな意味を持つ。自分のように35才になった時にひらめいて、2年後の36才末にスタートすると、20年経過した時には56才末。農業には線引きの定年はないが、60~65才で実質上の定年が来ると思う。家庭菜園なら70才を過ぎてもできるが、出荷農業は体力的に厳しい。


 大きく投資する自信も能力も貯蓄もなかったので、できるだけ投資せずに、小さく稼いできた。毎年150万以上の純売上(売上-経費)が必要なら、自分は農業に留まることができない。


 農業を始めて3~4年の内に、その人が農業で稼げる金額は大体決まってくると思う。小さな投資、小さな農業、小さな生活しか自分はできなかったが、それでも我が家の生活はまわっていったので、農業の現場に留まることができた。

 
 農業の世界における個々人の能力差は大きいが、人をうらやんでみた所で仕方がない。30代半ばで転身するのだから、不得意なことが得意になったりすることもない。ひたすら、自分のできることを、せいいっぱいがんばり続けるしかない。


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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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