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あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

この国のレールから外れた時


 学校を卒業した年に偶然、あるいはたまたま入った職場に、定年まで勤め続けることが人生の成功者・・・そんなパック旅行のような人生しか、この国では生きる道がないのだろうか。自分がその路線にすんなり乗れなかった「ひがみ」かも知れないが、何かつまらなすぎる人生である。でもそうした選択をしないと、この国ではとにかく生きづらい。

 
 農業は自由な生き方であるが、経済的には底辺の生活を強いられるので、結局、自由な時間が持てない。つまり、サラリーマンなら、週に1回、もしくは2回の定期的な休みがあるが、農業者は7日間の内、7日間働いている人が多く、自由な生き方であるが自由な時間がない。
 自分が選択した生き方だから、休みが取れなくても、そんなにストレスにはならないが、60才を過ぎてからもこの状態を続けざるをえないとしたら、かなりしんどい。

 
 学校を卒業した年に入った会社に行き続けるというのが、経済的には安定するが、誰もがそういうコースに安住できるわけではない。そして、そういうコースから外れた人が、とても生きづらいのが、今の日本である。つまり、卒業後初めて勤めた会社に失敗しても、27~28才くらいまでなら、もう1回だけ敗者復活戦があるが、30才を過ぎるとほとんどなさそうである。30才を過ぎて、日本的なパック旅行的人生にうまくはまることが出来なかった場合、いったいどういう生き方をすればいいのだろうか。いわゆる日本的システムの「蚊帳の外」みたいな人生になると思う。この人たちの人生に、農業が前途洋洋と控えているなら、何と望ましいことだろう。この人たちを救えるのは農業だと思うが、今、農業はあまりにも殺伐とした状況である。

 
 30代の半ば、絶望的な状況の時、自分は農業をイメージできたが、それは我が家が元々農家であり、土地も農具も先生(父)も揃っていたからイメージできたのである。そんな背景がない人には農業など思い浮かばない。しかし、農業の他にどんな職業が、こういう人たちを受け入れてくれるだろう。
 

 現在はレールに乗れている人も、いつ何時レールから外れるかわからない。とても生きづらい世の中になっている。何でこんな風に、世の中は悪く悪くなるのだろう。農業にも全く未来を感じないが、この国にも未来を感じない。農業という、ある意味、理想的な職業についている自分でさえ、こういう心境になるのだから、若い20代、30代の人は、底知れない絶望感の中で生きているのではなかろうか。

 
 「レールから外れても農業があるさ」と言えるような手本を示したいが、自分自身がアップアップしているのだからどうすることもできない。




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田んぼのあぜで、今朝初めて、彼岸花を見つけた。昨日は目に入らなかったので、一晩で20センチほど伸びたのだと思う。今日は18日だから、例年より6日ほど遅れている。それだけ世間が暑いのだろう。今日も、盛夏のような1日だった。



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 ダイコンにまだ害虫がきていない。今日でちょうど1週間経過。第1関門は突破。蒔き直しにはならなかった。


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 今日、ハクサイを定植した。予備苗としてもらっていた義兄の苗を定植した。自分が育てている苗もあるが、まだ少し小さいので、それを予備苗にした。


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 ロケットはきれいに発芽した。ロケットの育苗期間は大体1ヶ月であり、10月7日頃の定植予定である。


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 今日初めて、サツマイモを掘った。左がベニアズマ、右がムラサキ芋である。外観が悪いし、野ネズミに食われている箇所もある。サツマイモは地上からはイノシシやシカが、地下からは野ネズミが狙う。堀り上げや選別にも時間がかかり、採算の悪い作物であるが、ワンパックには必須である。


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 左は管理機(ミニトラクター)、右は鍬である。鍬代わりになってくれるのが、管理機である。農業をスタートした年に買ったが、故障のほとんどない農具である。今日は畝上げをしたので、耕運爪のかわりに、畝上げ器をつけている。



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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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