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あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

ネットカフェ難民・農業難民

 夕暮れの1時間~1時間半は、1日の内で最も能率の上がる時間帯である。5時がまわると日が沈んで急に涼しくなる。

液肥を混ぜたり

ニワトリの水を入れ換えて、雑草を与え、タマゴを集めて

2種類のレタスを定植し、

昨日蒔いたダイコンとカブに水やりをして

昨日蒔いた、ロケットとチャービルの育苗床に水やりをして

昨日植えたキャベツに水やりをして

2~3分デジカメで写したり

ネギを定植したり

した。今日は5時前に出荷が終わってからの1時間半ほどの作業だったが、これだけのことができた。

 
 9月12~14日頃は、季節が音を立てて変わり始める・・・そんな時期なのに、今日はまるで真夏日だった。明日からは、曇り、雨のマークが出ているが、期待していいのだろうか。


 長年農業をしていると、その時期、その時期の農作業が頭に入っているので、シミュレーションができる。シミュレーションができるようになったのは、農業歴が一回り(12年)経過した頃だった。


 定年後から本格的に農業を始める人は多いが、その人たちより20年早く農業を始めたということが、今の自分の自信になっているし、貴重な経験をさせてもらったと思っている。

 
 
 では逆に、一介の銀行マンとして、定年まで勤め上げたとして、定年後の人生にどんな展開があるだろうか。

旅行三昧の日々を過ごすだろうか

趣味に没頭した日々を過ごすだろうか

ボランティア活動を中心にした日々を過ごすだろうか

楽しみの家庭菜園を中心にした日々を過ごすだろうか


 定年後のそういう人生は自分には似合わないような気がする。一定の組織に「はまらず」、独立自営業をずっとしてきたからこそ、今後も自分らしく生きれると思う。


 農業を始めてからこっち、周囲の田んぼで毎日のように見かけた人が、一人亡くなり、また一人亡くなりして、多くの人を見送ってきた。その人たちの家庭菜園をずっと見てこれたし、定年後は、こういう生き方をするんだなあということも参考になった。自分より20才以上年上の人がほとんどであるが、彼らの世代ももう農業を本業としてはいなかった。ただ、休日には必ずといっていいほど農業をしていた。働きながら、稲作と家庭菜園の両方の農業を続けてきたのが、現在70~80才の方である。

 
 ここ4~5年の間に定年を迎えた人も近くに何人かおられるが、彼らの世代も、サラリーマンをしながら休日には農業をしてきた世代である。だから、定年後も今までの延長みたいな感じで農業をしている。高度成長で日本がまだいい時代だったのだと思う。
 

 今の現役世代のサラリーマンは、田舎でも農業掛け持ちはほとんど見かけない。多分、時代が世知辛くなり、休日でもサラリーマン関連の勉強をしたり、あるいはぐったりしているのだろう。自分も36才の時まで農業は全く手伝わなかった。そんな時間的余裕もなかった。両方やっていたらまた違った展開があったかも知れないが、全く農業をしてこなかったので、農業がとても新鮮に感じたし、太陽があまりにもまぶしかった。

 
 銀行マンを40年して、定年後、旅行や趣味三昧の日々を送る、もう一人の自分がいるとするなら、経済的に厳しくても、農業とブログをやっている、もう一人の自分の方がいい。

 
 サラリーマンをしていて、勤めていた会社が倒産したら、困るだろうなあと思う。特定の組織に属していない状態というのは、経済的には試練である。新聞などでよく「ネットカフェ難民」という言葉が出てくるが、正しくは「資本主義難民」である。その状態は、今後の資本主義社会では飛躍的に増えるだろうし、「明日は我が身」であると思うが、ある日突然そういう状況になるということを誰もあまり信じたくないのだろう。 

 
 農業者も資本主義難民である。ネットカフェ難民と農業難民・・・何かよく似ている。共産主義難民や国を追われた難民は、新しい国や地域でまた生きがいを見出すことも可能だと思うが、我ら資本主義難民は、立場や境遇のあまりに違う人たちと同居している状態である。見解の相違や意識のずれは甚だしくなり、お互いにお互いの立場が理解できないような状態になりやすい。自分自身もすでに、境遇の違う人とは、同じ時間や場所を共有したくなくなっている・・・。


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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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