あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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森田療法、「あるがまま」

もう随分昔、精神科医の森田博士が開発した「森田療法」のことを説明した本を読んだことがあるが、それによると、「あるがまま」の対極に位置する言葉として「はからい」をあげ、「はからい」とは、どうしようもないことを予測してみたり、見当をつけたり、もくろんだりすることらしい。


 森田療法は、わからないことをあれこれ考えて悩んだり、おかしくなったりするよりも、まず不安を抱いたまま行動するーこれが実践によって裏付けられた森田理論(療法)のエッセンスだと書いている。


 自分はこの「はからい」をよくする。もうすんでしまったことだから、どうしようもないことなのに、ああでもない、こうでもないとか、ああしておけばよかった、ああすることもできたのでないかと考えたりする。

 
 自分がまたそれに「囚われだした」のは、最近あった二つの事柄が原因である。

 一つはサラリーマンをしている同級生が、サラリーマンをしながら稲作と、ハウス4棟で花作りをしているということ。

 もう一つは、自分より8才ほど年上の方が、数年前からイチジクを作り始めて、少しずつ規模を拡大しているということ。


 つまり自分も、ワンパック宅配と並行して、何か専門作物を一つ持って、それを続けておけばよかった・・・という後悔の念である。
 ワンパック宅配だけでもかなり忙しかったので、それと並行して専門作物を持つことは「寝る間も削って」ということになるが、サラリーマンをしながらやっている人は、現にそれをやってのけている。
 自分の新しい運命を切り開いていくような人は、たいてい「並行処理」をしている。一つだけをしていたのでは、その一つが頭打ちになったり、先の展望が見えなくなったとき、自分の「変わりしろ」がない。並行処理を続けていれば、ある日突然のごとく、どちらか一つに切り替えて、それを伸ばすこともできる。
 頭で考えるのではなく、とにかく、何か専門作物を一つもって、それを続けておけば、十数年の後に、もしかして、新たな展開でもあったのではないかと思う。時間は何とでもなるし、それを1日の中に組み込んでしまえば、できたのではないかと思う。

 
 自分の場合、「特定の専門作物を持つことは苦手」という先入観があまりに強すぎた。イチジクを例に取ると、イチジクには7つのステージがあり、そのうちの3つほどはあまり苦にならない、もしくは得意なステージもあるはずなのに、そのうちの1つに対して、あまりに苦手意識が高く、イチジクはだめと考えてしまった。つまりイチジクには、

第1ステージ・・・イチジクを植える場所を確保する。水をどうするか考えて場所を決める。

第2ステージ・・・当初の面積をどれくらいにするか、苗木が何本必要か、金額はどれくらいになるか。

第3ステージ・・・植えた後の肥料、冬の作業である枝の剪定、誘引など。

第4ステージ・・・イチジク全体を暴風ネット(兼防鳥ネット)で囲う。

第5ステージ・・・イチジクの病害虫防除作業

第6ステージ・・・イチジクの収穫作業

第7ステージ・・・イチジクの仕分け出荷作業

 
 イチジクは植えつけて2年後には生り始めるし、防除作業はさほど多くないし、ハウスのビニールのように、風で破れたり、短期間に産業廃棄物になることもない。高所作業もないし、難しい剪定や誘引作業もなさそうである。つまり、第4ステージ以外は、苦手な作業はあまり出てこない。それなのに、この第4ステージの苦手意識を過大に捉えすぎたきらいがある。どんな専門作物でも、このように7つほどのステージは出てくるし、1つや2つの苦手項目は出てくる。その部分は他人に依頼してもよいし、大きな金額でないならカネで解決できる部分である。とにかく2つの誤りをとても後悔している。

(1)ワンパックと専門作物は並行処理できないと考えてしまったこと→並行処理できないなら、次なるステップは何も生じない。

(2)7つのステージの内のたった1つの苦手なステージに囚われ過ぎたこと。

 

 いいわけがましいが、野菜の専門作物に関しては、考えないこともなかった。もう5年以上前のことであるが、ワンパックと並行して専門作物を持とうと考えた。その時、専門作物としてイメージできた作物は下記の5つだけだった。

(1)エンサイ
(2)ツルムラサキ
(3)青シソ
(4)シュンギク
(5)不結球レタス

その他の作物は何か不得意な作業が出てきたり、病害虫が多かったりして、専門作物にできるとは思えなかった。上記5つなら、専門作物にすることも可能だったが、販路が思いつかなかった。農協出荷や市場出荷は全く考えなかった。

 
 その時に果樹は想像しなかった。イチジクが俄然、自分の中で浮上してきたのは、出荷の往復で毎日目にすることと、最近よく新聞で取り上げられているからである。イチジク以外の果樹はとても想像できない。多種類の果樹を植えているが、1~3本から増やそうと思ったことはない。

 

 しかし冒頭に書いたように、もう、どうあがいても、どうはからってみても、専門作物は持てない。今からでは、人生の時間切れである。
 資格試験でも、学生の間に取るとか、その後の3年間猶予をとって25才までに取れなければ、ずるずると続けない方がよい。20代後半~30代前半の「資格試験崩れ」は、その先の進路が難しすぎる。つまり、資格試験でも時間切れがある。大学浪人でも1年が限度だと思う。何でもだが、「旬の年齢」とか「旬の時期」があるから、それを逃すとより難しくなる。

 
 そして自分の場合、50才までに何か一つ専門作物を持ち、ワンパック宅配と並行処理をしてくればよかったという後悔があるが、並行処理してきたものが一つだけあり、それは「あめんぼ通信」である。農業歴と同じ18年目に入っているがまだ何の進展もない。

 
 専門作物だから、農協出荷であるとか、市場出荷と単純に考えなくても、かなり大規模なトマト専門農家やイチゴ専門農家が「直接販売」だけで売りぬいているのを時々見ると、それぞれの農家の生き抜く才能のすごさを感じる。

 
 並行処理をしてきていれば、専門作物を持つということに対して「あきらめ」や「自分なりの納得」もできたであろうし、農業志願者に「専門作物に関しての経験を伝える」こともできたであろうが、やることができなかった(やってこなかった)ために、具体的に説明することもできない。

 
 いろんな人の田んぼ訪問に行かせてもらっているが、いわゆるスペシャリスト型(専門作物型)農家への訪問はほとんどない。自分にない能力で農業展開をされている方の農業を見ても、ただ、感心したり、感嘆するだけで、農業志願者の参考になるようなことが書けない。

 
 定年後に始める方も結構いるのだから、54才などまだまだ若いし、後10年、運がよければ15年はできるかもしれないが、3~4アールの規模でも、イチジクの場合30~50万ほどの初期投資金額が必要だろうし、元が取れるかどうか、儲かるかどうかは、やってみて年月が経過してみないとわからない。

 
 そして、この30~50万という金額は、農外収入があるならまだしも、長年、農業だけをしてきた者にとって、新たな投資などの余裕のカネはほとんどなくなっているのが現実ではなかろうか。

 
 自分は農家の子弟であり、脱サラして17年あまり農業をしてきているが、トマトやイチゴやブドウの専門農家になるなどは、絶対に無理。全く適性はない。これに対して、農業の原風景もない非農家の都市出身者が、ほんの2~3年で形にしていくのを見ると、スペシャリスト型農業は、家庭菜園型農業と違って、同じ農業でありながら、少し異質の才能ではないかと思う。

 
 上記のサラリーマン掛け持ちの同級生の場合、本から入ったタイプではない。7才の頃から知っているからそう思うのだが、「作りながら」、まず「作ってみて」、その後どうするか考えていくタイプだと思う。自分のように、考えて、調べて、訪ねて話を聞かせてもらってスタートをかけるのではなく、思いつくと同時にもう種を蒔いている、もしくは苗を買ってきて植えたという進行をさせるタイプである。自分とは進め方がまるで違う。農業はこのように「現場で学んでいく」という同級生のようなタイプの方がより早く形になると思う。

 
 とにかく、「自分の農業の形」ができる前に、いくら他人の田んぼ訪問をしても、ほとんど無意味だと思う。自分の農業の形ができてから、他人の農業を見学させてもらうのは参考になることもあるが、よい面を真似をして取り込もうと思っても、とても難しいことが多い。つまり、他人にとってはそれが得意なのであり、他人の得意と自分の得意は全く違うので、数多く見学させてもらっても、自分の農業になかなか生かせれない。試行錯誤しながら、田んぼとの往復の中で、自分で自分の農業を形づくるしかない。他人の田んぼ見学で時間をつぶすより、結局、その方が近道だと思う。そんなに出歩かなくても、毎日田んぼに出ておれば、回答はおのずと野菜や果樹や、動物を飼うなら動物自身が教えてくれる。本でもないし、先生でもないし、他人でもない。
 
 土のキャンバスに表現できる物は、自分以上でもないし、自分以下でもない。

 
 以上、ぐたぐたと書いた。専門作物を持つことができなかった「あるがまま」を受け入れようとせず、自分の心の「はからい」をブログに書いて、心の整理をしようとしているのかもしれない。でもまだ、整理できない・・・。


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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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