あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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太陽がまぶしかったから

ストーリー的には野菜作りは簡単である。

(1)苗を買う。あるいは種を蒔く。

(2)植える場所、種を蒔く場所の畝上げをする。理由は

  イ.雨が降ったときの排水をよくするため

  ロ.誤って踏みつけないため

(3)数日前までに肥料を施しておく(元肥だけで十分)。

  イ.化成肥料

  ロ.鶏糞、牛糞等の動物糞もしくは堆肥類

(4)植える、または種を蒔いて水をする。

(5)収穫までに最短野菜でも60日ほどかかる。

  イ.乾いたら水をする。草が伸びたら草をとる

  ロ.時々見回る。病害虫をチェック

(6)収穫

 たったこれだけの起承転結だが、60日も待つ必要がある。書物や先生ではわからない。無茶苦茶でも自分で体感しないと覚えれない。

でも都会には土がない。わざわざ遠方まで出かけないと土がないなら、そこまでするエネルギーは誰も少ない。

 
 田舎では土がすぐそばにあるのだから、いつでも作れそうだが、

休みの日くらいゆっくりしたい

あんまり興味がない

野菜など作る暇はない。職業知識を磨く必要がある

いつ植えて、いつ蒔くかなど、勉強するのが面倒くさい

誰も教えてくれる人がいない

一通りのことを覚えるのに数年かかりそう

現役世代がやる職業ではない

賢い人のする仕事ではない

定年になってから始める

イノシシやシカ、サルまで出てくるのに、野菜など作れない

買った方が安いし楽だ

 

 こうして、稲も野菜も専門的に作る人だけが作り、家庭菜園もだんだんとする人が少なくなる。

 
 やったことのない人が、

農業は牧歌的とか、農業は素晴らしいとか、農業で起業とか言う。

 やったことのない人が、

農薬や化学肥料を否定する。

 やったことのない人が、

黒マルチや除草剤を否定する。

 やったことのない人が、

野菜の安全性を口にする。


 農業をしている大多数の人は、農業を否定的にとらえる。それが証拠に、後継者のいる農家をほとんど(全く)知らない。

 

49歳の死

酪農に夢を抱いた。

酪農の大きな施設を建てた。

まだ若かった、30代の前半だった。

だから、少しずつ規模を拡大していった。

それでも、何とか家族経営でまわる規模にとどめた。

順調な30代だった。

40代は最も充実した10年間だった。

施設の負債も大半払い終えた。

ああ、やれやれだ。ふう~っとため息をついて、

タバコに火をつけた時、急にめまいがして

目の前が真っ暗になった。そのまま牛舎に横たわった。

家族が見つけた時にはすでに息が途切れていた。

脂の乗り切った40代だから、

才能があり、身体も強健な人だったから、

人並みはずれたこともやってのけれる人だったから、

少し無理もしたかもしれない。

ああ、ほんの少し、ゆっくりと作業をして欲しかった。

残されたのは、まだそんなに大きくない子供と奥さん。

そして年老いた両親。

奥さんに酪農を一人で回していく力はない。

年老いた両親は後を追うように亡くなった。

残された奥さんは子供を連れて実家に帰った。

そして外へ働きに出るようになった。

 

世話をする人も、牛もいなくなった牛舎に、

都会から来た一人の青年が住むようになった。

ボクは尋ねた。

この牛舎はまだそんなに古くないのに、どうされたんですか。

そうしたら、49歳の時に亡くなられたと聞かされた。

詳しいことは聞かなかった。多分青年も知らないのだろう。

後のことは自分の創作である。

 

 人生で最も厳しい坂は50才前後の坂のように思う。40才前後の坂はまだ人生が本格的に始まったばかりの坂であり、60才前後の坂は妥協の坂であるかもしれない。50才前後が一番えらかったと、高齢者が話しているのを聞いたことがある。

 50才前後の農業者は最も動ける時期である。体力も気力も充実した時期である。日曜も祭日もなく働いてもそれほど苦にならない。自分もそうだった。

だからこそ、もう少しゆっくりしてほしかった。

何もしない1日をたまには設けてほしかった。

あの暑い1日、照りつける太陽の日差しに、

急にくらくらっとして、目の前が一瞬真っ暗になった時、

それまでの人生が走馬灯のように数秒間、脳裏を横切り、

これでよかったんだと思った。

ただ、自分が先に去ってしまうことを侘びながら・・・。



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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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