あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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平面的農業、立体的農業

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 友人のオクラの倒伏防止措置を見て、これは簡単なやり方だなあ・・・これなら自分もできると思い、数日後、自分の田んぼで同じ方法でやってみようと思っても、身体が動いてくれない。簡単そうなやり方だからと、その時にじっくり見て方法を覚えてきたはずなのに、いざしようとすると自分には簡単ではなかった。こういう経験が自分には多い。


 オクラは15メートルの長さ(株間30センチ、2~4本立ち、50株)を2列しか作っていないから、「まあいいか」と、毎年放置していたが、Iさんはこういう作業は得意でアイデアを幾つも出してくれることがわかっていたので手伝ってもらおうと思った。自分の場合、ちょっとした創意工夫のような知恵が全く機能してくれない。


 他の圃場で見たオクラの倒伏防止措置の概観と、自分はこのようにしたいというイメージをIさんに説明すると、Iさんが考えていたのとはちょっと違ったやり方のようだったが、作業を進めているうちに、自分ではちょっと思い浮かばないような知恵(3メートルおきに八の字に結んだ方がよいとか、クイは上部を半分に少し割っているので、ヒモ(マイカ線)とクイは結ぶ必要がなく、それにはさげるだけでよいとか、クイのところでヒモを一回りさせれば、ヒモがピンと張れる等)を出してくれた。Iさんのおかげで、毎年この時期になるとしようと思いながらできなかったオクラの倒伏防止措置を初めて完成させることができた。しかし、Iさんが来られなくなるともう、オクラの倒伏防止措置はしなくなり、元通りの放任栽培に戻った。


 不得意な農作業を度々意識していては身が持たないので、得意でない作業が出てくる作物は作付けを最小限に押さえるか、他の方法(例えばキュウリは地這いにしたり、インゲンはツルナシ品種にする)が可能なら、その方法を選択する。


 ホウレンソウはたいていの農業者は「じかまき」だが、自分の場合、ハクサイやキャベツと同じ連結ポットで育苗して定植するという方法をとる。種代は3分の1ですむし、間引き作業はないし、定植で多少手間取っても、収穫、仕分けの段階がスピーディにできるので総作業時間はあまり変わらないと思う。自分は1500本ほどしか定植しないのでこの方法がよいと思うが、1500本を超える定植となると、この方法は良いと言えない。
 霜にあたればあたるほど甘くなる「巨大ホウレンソウ」を理想にしている。



 たいていの農業者はハウスが建ててあり、簡易な雨よけの資材置き場があったりする。そして、キュウリは支柱作りだし、キュウリの後作に秋作のインゲンを作るというふうに、見た目にも頑丈そうな支柱を立てている。とても立体的な農業を展開しているが、自分の場合は平面的である。


 百姓は百種類の農作業をしていくわけだから、10や20の苦手作業は誰にも当然出てくる。でも農業は包容力の大きな職業だから、どんな人でも、ちょっとした何らかの得意を生かせることができる。たとえば「手早である」というのは、農業においては大切な特性であるし、ワンパック宅配では、送り状、納品書等の事務処理スピードも要求される。


 自分は農作物を作る工程にあまり得意がないので、収穫後、顧客の手元に届くまでの鮮度を大切にしている。その工夫とは、

(1)夏は早朝5時50分頃から収穫を開始して、遅くても8時30分頃までには終わらせる。つまり、まだ朝露の降りている間に終わらせる。収穫後、葉物類は真夏でも真冬でもジョロで打ち水をする。

(2)収穫物は、風にあたったり、長く外気(空気)にふれたり、収穫容器の中でひしめきあって蒸れたりしないように、全ての収穫が終わったら、すばやく仕分け(野菜は量るがハーブは軽くて量りづらいのでスイートバジルとロケット以外は目分量)して、新品の新聞紙(販売店で定期的にもらっている)で包む。とにかく、収穫物が手に触れる回数を少なくする。もちろん、害虫とか、外観の最終チェックがこの仕分けだから、注意深くする必要があるが、手数をかけると傷む。

 他に

(1)苦手な農作業に立ち止まらない。百種類もの農作業があるのだから、得意な農作業で固めてしまう。早く、得意な農作業だけで手一杯になるように持っていく。

(2)農法にこだわらない。百人百様のやり方があるはずである。田んぼの条件も違うし、地域が異なると農法はまるで異なる。「肥料」についても、他人の最もよいやり方が、自分にとっても最もよいやり方であることは少ない。

(3)他人の田んぼ見学をさせてもらうことは大いに参考になるが、真似をすることは大変むずかしい。



 
 得意、不得意は個人の特性であるに過ぎない。自分は17年以上農業をしているのに、草刈機の刃は人に砥いでもらっているし、乗用トラクタのオイル交換も人にしてもらっているし、エンジンポンプの水漏れを止めることができなくて2年以上も放置していた。苦手なことは教えてもらってもすぐに忘れる。それでも農業は続けられる。

 
 人には簡単にできても自分には難しかったり、その逆の場合もありえる。イタリア料理店の注文は店によって違うし、ワンパックに10種類以上入れて送るが、現物と納品書の不一致というクレームは一度もないし、納品書の計算間違いとか、送り状(送付先)の誤りもしたことはない。事務は農作業とまた違った作業であるし、顧客を獲得するのもまた違った能力を求められる。顧客をすぐに獲得できる能力と、顧客に続けてもらう能力もまた異なる。

 
 不得意なことは可能ならパスして、できると思えるものに集中している。


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 トリ小屋が自分で建てれなかったらニワトリは増やせないし、ハウスが自分で建てれなかったらハウスは持たない方がよい。機械が苦手だったら機械は購入しない方がよい。トマトが苦手ならトマトは送れない。トマトの代りと言うわけでもないが、ニンニクとか青シソ、ミョウガのような小物を大切にし、ハーブティ用ハーブはサービス品として常に入れている。

 
 個人客が続いてくれないなら、業務用の営業をするしかない。職業別電話帳を見て電話営業1本で攻めた。電話営業は「慣れ」である。とにかく1本の電話を入れないことには何も始まらない。
 
 
 業務用も口コミで結構紹介してもらえるし、従業員が独立したり、他店に移った時にまた購入してもらえることもあるので、ここ5年ほどは営業をしなくても減った軒数の補充ができて現状キープができている。

 
 一つの作物を大量に作ることが苦手なら少量多品目生産をするしかない。


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 自分の場合は個人客が続けてくれないという危機意識や作物を絞る(深める)ことの苦手意識から、8年目に入った時、ハーブや花(ドライフラワー)や食用花(エディブルフラワー)というように、「より広げて」いった。ハーブだけカネにつながった。ハーブの知識はゼロだったので、会う人ごとに、誰かハーブを作っている人はいないか紹介してくださいと頼んだ。3年間ほどで100種類ほどのハーブの概要がわかった。でも必用なハーブは12種類だった。


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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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