あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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Y君の田んぼを訪問

 スタートする前に、自分がイメージできた農業の範囲内でしか、「農業展開」はできないのではないかと思う。


 スタートする前に自分がイメージできた農業は、

(1)多種類の野菜を作る。スペシャリスト型の野菜は自分には無理。

(2)顧客への直販。市場出荷できるような野菜を作るのは自分には無理。

(3)面積は30~40アール。

(4)稲作はしない(ようしない)。

(5)ハウスは持たない(自分で建てれない)。

(6)差し引き手取り額150~200万を予想した。

 (1)~(5)はイメージ通り実現できたが、(6)だけ認識を誤った。その半分しか稼げていない。


 結局、自分がイメージできた範囲内の農業展開しかできなかった。多分、他の農業者も、農業をスタートする前にイメージできた農業の範囲内でしか、農業展開はできないような気がする。


 これに関しては、農家出身、非農家出身はあまり関係ないと思う。もちろん、農業高校や農業大学校を出ているとか、農業と関係のない学部学科を出ているということも、農業展開には関係ないと思う。


 つまり、スタートする前は、みんな白紙の状態で、田んぼに立つわけだが、個人、個人の頭に描くことができた「農業風景」は、それぞれ異なる。そして、描くことのできた農業風景しか、農業展開はできないと思う。


 だから、スタートする前にしっかり思い描いてください。つまり、スタートする時の、農業形態を誤ってはいけないということです。

(1)有機農業をイメージした人は有機農業の道を

(2)不耕起栽培や無肥料栽培の自然農法をイメージした人はその道を

(3)ブドウやトマトの専門作物(スペシャリスト型)をイメージした人はその道を


 スタートする前に、かなり絞り込む必要があると思います。もし、どれもイメージできなければ、実際に半年なり1年なり、どこかで農業研修を受けてからスタートすることになりますが、農業研修を受ける先の選択を誤ると、農業への道をふさがれることもあります。


 今日訪問させてもらったY君は、非農家出身であるが、この地で農業をスタートする前、はたして、どこまで自身の農業をイメージできたのだろうか。

(1)現在34才。当地(御津町内の集落)に入植してすでに6年目。

(2)大学時代に1年間、ケニアでNGO活動に関わる。

(3)大学卒業後、埼玉県小川町の金子美登さんの霜里農場で研修を受ける

(4)金子さんの紹介で、栃木県のアジア学院で2年間働く。

(5)JICAのスタッフとしてモザンビークで仕事をした経験も持つ。

(6)霜里農場で一緒に研修を受けていた女性と結婚して、故郷の岡山へ。

(7)実家は非農家なので、県内で入植地を探し、現在の地へ



 現在の農業展開(農薬、化学肥料は一切使用せず、全て有機栽培)

稲作→140アール

野菜作→100アール

ニワトリ→200羽(エサはヌカやおから、エサ用の麦も作る)


堆肥はフロントローダーで切り返す。堆肥の原料は
(1)落ち葉
(2)米ヌカ
(3)もみがら
(4)トリ小屋の鶏糞
(5)塩(自然塩)
(6)おから・くず大豆・食用油の廃油・ナタネカス
(7)赤土(4トン車で5~6千円)


 
 稲の栽培は、

(1)2月上旬に「なたね」を蒔く。

(2)5月上旬に花が満開になる。

(3)5月下旬にすき込む→田植えの20日前

(4)もう一回耕運して→しろかき

 ナタネを蒔く時に上述の堆肥を散布して、稲に関する施肥はそれで完了。

 ナタネの花(菜の花)をすき込んだ時に有機酸(あく)が出て、それが草押さえになる。田んぼに草が生える間がないように、常時何かの作物を植えておく。


 堆肥や稲の栽培に関して、自分のオリジナルなものは何もない。すべて、現代農業等の雑誌や、専門書に書いていたことであると言われる。時々、県外へも視察に行かれるらしい。きちんと勉強していて、具体的に農法を説明してくれる人である。


 稲作の後に、タマネギ、キャベツ、レタス、ソラマメ、エンドウ類を合計30アールほど作付。






20070710195044.jpg 20070710195251.jpg

 トマトとトマトのハウス


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 最近、ミツバチによくお目にかかる。Y君で3人目。ミツバチのためのレンゲも蒔いている。



20070710195141.jpg

 「アゾラ」という浮き草。稲の除草に使う。



20070710195227.jpg

 全てにスケールが大きい。画像はウド。3月、4月も休まず、年間を通して出荷しているため、ウドは端境期の重要な山菜であるらしい。




20070710195315.jpg   20070710195351.jpg

 自信作の稲。上に伸びず、横に伸びている。慣行農法の田んぼの稲との、あまりの違いに、迫力を感じた。
 右の画像の山の麓にトリ小屋がある。


20070710195454.jpg

 サツマイモ。2000本ほど植えている。自分の4倍。



20070710195604.jpg

 マクワウリ。害獣の被害はあまりなかったらしい。



20070710195638.jpg

 ナンキン。いろんな品種のナンキンを植えている。何本植えたか聞き忘れた。左の一列の品種は病気がきている。



20070710195728.jpg

 ここにもサツマイモ。サツマイモの右側に見えるのはトウモロコシ。
 トマトとエダマメとトウモロコシを入れると、顧客に喜ばれると言う。自分はワンパックに一度も入れたことがない3種類である。能力差。



20070710195823.jpg

 全体像。この田んぼは全部で35アールの広さがある。

 


20070710195802.jpg

 川向こうに、ハウスのトリ小屋がある。200羽ほど飼っている。鳥インフルエンザに細心の注意を払い、同業者には、近くまで行くことは遠慮してもらっている。


20070710195856.jpg

 せんべい、味噌、ニワトリ肉などの加工品も手がけている。せんべい用に、黒ゴマ、アワなども作っている。画像は大豆で、1本、1本定植したらしい。いったい何本?。



20070710195932.jpg   20070710200008.jpg

 最後にまた自信作の稲の画像。ニワトリを半分に減らし、野菜も少し減らし、稲作を伸ばしたいらしい。


20070710200151.jpg

 家の近くのサトイモ。

20070710200125.jpg  

 3月に新築予定の家の造成工事も始まっていた。


 現在、集落内の3ヘクタール(300アール)ほどの田んぼの管理を任されている。
 

 集落内で、よそ者扱いをされている入植者の話もしばしば聞いているので、こういう集落に入って、やりづらいことはないですかと聞いたら、全くそんなことはなく、逆に親切だと言う。トータルな実力だと思う。


 すでに農業大学校から、短期の住み込みの研修生も受け入れている。
 
 
 才能にあふれた人である。なかなかこの人の真似をするのは難しいだろう。


 次回のブログ取材の予約をして帰った。次回はもっと切り込みたい。

 


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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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