あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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有漢から北房へ (2)

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 有漢から北房へ抜ける広域農道から写した北房の町。北房は山に囲まれた盆地の町である。この広域農道ができてから、有漢と北房の間の距離がかなり短縮されたようである。広域農道の整備と反比例するように田舎から都市への人口流出は続いている。広域農道の目的は、少しでも早く田舎の農産物を都市へ運ぶための道らしいが、その多くは、20年以上前の「高度成長の時代」に計画されたものである。人がますます住まなくなっている過疎地と過疎地を結ぶ道路に、莫大な税金がつぎ込まれた。



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 出会いがなければ、有漢も北房も訪れることのない土地だったろう。お母さんの実家がある北房で農業を始めたDさんと出合ったのは、都会から高梁地域に移り住んだ「ニューファーマーズ」の人たちの親睦会である「わいわいクラブ」でのことだった。ニューファーマーズの方はスペシャリスト型の農業を目指す人が多いが、Dさんは、有機農業や無肥料栽培、不耕起栽培に関心が移っていったようである。画像は家の前の不耕起栽培の畑である。




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 この田んぼも不耕起栽培であるが、この田んぼは不耕起栽培+無肥料栽培である。

 
自分の友人や知人には、不耕起栽培+無肥料栽培をされている方が何人もいる。もちろんそういう方は、無農薬栽培であり、黒マルチ類は一切使っていない。それぞれの思想や哲学からそういう農法に転じていったのであろうが、建部町のWさんの場合は化学物質過敏症という事情、そして北房町のDさんの場合は慣行農法のアルバイトで農薬散布を手伝い、体調の変化を感じたのも、農法を考える一端となったのだろう。
でも自分は、
(1)不耕起栽培も
(2)無肥料栽培も
(3)無農薬栽培も
(4)黒マルチを使わない栽培も
できない。


(1)不耕起栽培については、多くの場合、耕運した方が自分の身体が楽だからである。


(2)無肥料栽培はしない。明らかに肥料を与えた方が収穫量が多いからである。肥料の素材の「ナタネカス」に問題はあるが、メタン菌液肥に年間5袋ほど使うだけである。後はヌカ、クン炭(焼きすくも)、トリ小屋の鶏糞(菜食主義)、メタン菌液肥(ヌカ5、ナタネカス1の割合)。


(3)秋冬作のアブラナ科野菜には農薬を使うことにしている。と言っても、使用量はごくわずか。


(4)黒マルチを使わない栽培は今の自分には困難である。


 他人の農法に批判的になることもないが、他人の農法に同調することもない。どんな農法であれ、農業を継続すること、その一点だけが大事だと思う。


 
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 画像はDさんのブドウ園である。10アールほどのブドウ園をジベレリン処理(種無しにする)だけで、後は無農薬、無肥料でされている。

(1)少し農薬散布をすれば、もっとたくさん収穫できるのであれば、自身に害のない程度の
農薬散布をして、できるだけビジネスにして欲しい。


(2)堆肥等の肥料を施せば、かなり収量が上がるのであれば、肥料を施して、もっとビジネスにして欲しい。


 ここまで手をかけて丹精込めて育てているのであれば、(1)(2)を施用して、立派なブドウに仕上げて欲しい。でもボクの声はとどかない。農業者は誰でも、農法の変更は極めて難しいと思う。


 ブドウ園を作るには、最初の投資が大きくなるが、今は、ブドウ園をまるごと借り受けて、すでに出来上がっているブドウ園を引き続いて管理するという入り方もあるそうである。つまり、家族の後継者でなく他人の後継者である。その場合、家賃みたいに、10アールあたり10万円等のブドウ施設賃借料が発生するが、新規就農者にとってのリスクはこの方が少ないように思う。

 脱サラで始める場合、農業人生はせいぜい20~25年だろうから、大きな投資は極力避けたい。


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軒下に自家採取の種を乾燥させていた。

 

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 ここの集落は全部で7軒だった。何百年にも渡って、自給自足の農業が営まれてきたはずなのに、近世と言う時代のたった50~70年ほどの間に、農業も田舎も見捨てられようとしている。田舎に留まって農業を続けようにも、農業では生活ができない。生きていくために農業を放棄せざるをえない時代である。
 
 ライフラインや各種社会保険料の納付という高負担社会のために、とにかく金銭を稼がなければ、自給自足的農業をしていたのでは、固定的支出であるこれらの支払いができない。自由選択のできない一律的負担が、職業の選択や生き方の選択肢を限りなく狭くしている。でもこれから逃れる道はまだ自分の頭に浮かんでこない。


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 この家にも、懐かしい「葉タバコの乾燥場」の建物があった。今はもう崩れかかっている。
 
 右の画像は桑の木である。葉タバコ以前には蚕(かいこ)を飼っていたらしい。2階が蚕様の部屋になっている。葉タバコのエキスが蚕を死に追い詰めたらしい。


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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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