あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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液肥を担ぐ

 夜10時、外は今、かなり雨音のする雨が降っている。あまり降ってくれない方がいいんだがなあ・・・仕方がない。


 今日、9月12日、ダイコンとカブの種を蒔いた。9月14日の木曜日に蒔こうと思っていたが、天気予報では今日晩から雨の予報だったので、もし雨量が多かったら、木曜日に蒔けなくなると思い、段取りを2日早めて今日にした。


 でも、朝7時過ぎに田んぼに着いた時にはまだ、ダイコンの種蒔きをどうするか考え中だった。すでに小雨がぱらついていたが、土の乾き具合をみると、何とか種が蒔けそうだったので、これも2日早めて、マスタードグリーン、赤色カラシナ、ロケット、セルバチカ(原種ロケット)、チャービル2回目と、シュンギク2回目の6種類の種を蒔いた。これらは育苗床に蒔いた。育苗床といっても、ダイコンなどを蒔く畝と何らかわらないのであるが、狭い範囲に密に蒔いて、ある程度の大きさになったら、別の場所に適当な間隔をあけて植え直す場合に、その密に蒔いた場所を育苗床とボクは呼んでいる。ダイコンやカブのように、直に蒔いて、植え替え(別の場所に定植)をしない作物は、他にはニンジンとインゲンとエンドウ類の5種類しかない。つまり、直蒔きの野菜は意外と少ない。自分の場合は、コマツナ(春蒔きのみ)とホウレンソウも育苗して定植する作物である。


 ちょっと横道にそれたが、上記6種類のうち、シュンギク以外はハーブである。育苗床に蒔く場合も直蒔きの場合も、蒔いた後はクン炭(籾殻を焼いたもの、昔、稲の育苗によく使われていた)を地肌が見えなくなるくらい降りかけ、その上からジョロで水遣りをして完了である。くん炭を降るのは、強い雨で地表がたたかれる(発芽がきわめて悪くなる)のを防ぐことと、強い日差しで地表が乾くのを防ぐための2つの理由からである。


 6種類の種を蒔いた後、液肥を5荷ほど担いだ。ネギの定植予定地、秋ジャガイモの定植予定地、ハクサイの定植予定地、ロケットの2回目、3回目、4回目とタマネギと春キャベツの育苗予定地への液肥の施肥である。雨を見越して液肥を施しておくと、井戸水をポンプアップして液肥を10倍に薄める一手間が省ける。


 ダイコンやカブは1回だけ蒔けば11月~翌年2月の4ヶ月はゆっくりゆっくり成長して収穫期間(田んぼにおいておける期間)が長いが、ロケットやシュンギク、ホウレンソウのように、成長後の収穫適期幅が短いものは、4~5日おきにずらし蒔きして、順次定植をしておかないと、11月~翌年2月の4ヶ月間を継続して出荷し続けることができない。ずらし蒔きの作物も、最適期幅は長くない。ロケットは、9月14日、9月18日、9月22日、9月26日の4回に蒔き、シュンギクは9月7日と9月14日の2回に蒔き、ホウレンソウは9月28日、10月2日、10月5日の3回に蒔き、それぞれ定植をする。


 昼前に、先日、イチジクと干瓢の芯をくれたおばさんに、お礼のタマゴを持っていった。先日来られた時にも、ふと思い出して、農薬の散布の方法を聞いたが、今日、もう一度念入りに、農薬の散布方法を聞いた。自分の気持ちの中では、この前、農業資材店に行った時に聞いたダイコンサルハムシに効く農薬の話以来、今年はダイコンとカブに農薬を使うだろうということが、煮詰まってきていた。もっと分析してみると、すでに自分の潜在意識の中では、1ヶ月以上も前から、今年はダイコンサルハムシの予防のための農薬を使おうと決めていたようなのである。そうでなければ、農業資材店に行った時にふと思い出したり、おばさんがイチジクを持ってきてくれた時にふと思い出したりしないはずなのである。ずっとそのことが気にかかっていたから、そんな質問が口から出たのだと思う。


 昼食後1時間半ほど昼寝をした。ブログを始めてからは、寝るのは毎日、夜の12時をまわっているし、朝は出荷の日は5時過ぎ、出荷のない日は6時過ぎに起きるので、昼寝をしないと持たない。起きてすぐ、農業資材店に農薬を買いに走った。先日、念入りに聞いた農薬をすぐに買ってとんぼ返りしたのではなく、またなんだかんだと色々聞いてみた。店員さんがそんなに詳しく知っているはずはないのがわかっていながら。


 田んぼに着いたのは3時前だった。朝方の小雨は1時間ほどで止み、その後液肥を施している時に、空がちょっと明るくなり、今日日中は天気が持ちそうだったので、明日の天気予報を考えながら、今日は午後からダイコンとカブの種を蒔こうと決めた。


 ダイコンとカブの畝立てはニンジンを蒔いた数日後に終わらせていた。2週間あまり前である。畝の上の大きな草は午前中に抜いていたので、土の表面をヨツメでならした後、クワで浅いガンギ(蒔き道)を切り(作り)、ダイコンは20センチほどの間隔に3粒ずつ蒔いた。カブは種がダイコンよりかなり小さいので3粒ずつというわけにはいかず、すじにばら蒔きをした。その後、先ほど買った農薬を、その上からぱらぱらと落した。使用方法はおばさんに教えてもらった通りにした。この農薬は前もって土に混和しておくと、作物が根から吸って、その葉を食べたダイコンサルハムシが死ぬ、もしくは、ダイコンサルハムシはその葉を食べないという農薬である。水で薄めて農薬散布機で害虫の上(作物の上)に散布して、直接害虫を殺すという農薬ではない。


 おばさんが言われるには、前もって土と混和するやり方だと、この農薬の面積あたりの規程量を使う必要があるが、種を蒔いた場所だけにほんの少し落せば、規程量の10分の1も使わなくてすむという的確な助言だった。ボクは規程量の3~5%も使わなかったので、これでは少なすぎて果たして効果が現れるだろうか、今はそのことの方が心配である。失敗は許されないから。


 この農薬は購入する時に印鑑が要り、名前も書かされるので、きつい農薬と想像しがちだが、店員さんが話してくれたように、だから成分がきちんと分析されているし、すぐ手に取れる陳列棚の農薬より、かえって使用量が少なくてすむと教えてくれたことも、実際に自分が使ってみて納得した。もう7年以上前になるが、ディープテレックスという粉剤の農薬を、このダイコンサルハムシに使ったことがあるが、粉なので風で空気中に舞い、気持ち悪くて困った。もう使うまいと思い、以後は同じディープテレックスでも液剤(水で薄めて使う)を使った。これももう6年ほど前のことである。ダイコンサルハムシのあまりの激しさに、その後2年間は、今作っている田んぼとは逆方向にある、ずっと稲を作ってもらっていた田んぼを返してもらい、そこにアブラナ科野菜だけを移して作ったことがある。でも、水遣りや収穫時の移動が不便で困った。


 その後また、今の田んぼに戻したが、2年間、秋のアブラナ科野菜の作付けをしなかったことが功を奏したのか、ここ4年間は農薬の世話にならなくても、なんとかまわしてきた。しかし、ダイコンサルハムシが最も好むカブの収穫率は去年は3割以下に落ち込んでいた。それもかなり外観の悪いのも出荷しての3割である。


 種蒔き、農薬降り(素手でつまんだ。薄いポリの手袋も買ったが、量が的確に落せない)が終わると、トンボ(直径4センチほどの丸太でできた、蒔いた後、土を蒔いた上に戻す道具。トンボのようなT字形にできているからトンボという)で、蒔きみぞに土を戻しながら、鎮圧(田んぼが乾いている時は強く鎮圧)して完了。そして、強い雨にたたかれるのを防止するために、クン炭(焼きすくも)を降る。3時頃から始めて、終わったのは5時頃だった。


 その後すぐに、蒔きみぞと蒔きみぞの間に液肥を施した。ダイコンとカブに合計4荷施した。今日はすでに午前中に5荷担いでいたので、さすがにこれだけ担ぐと最後の方はえらかった。終わるとすぐにまた液肥を仕込んだ。ヌカを1袋と、ナタネカスを3キロほど、2つのタンクにそれぞれ入れて、井戸水をポンプアップして、8分目くらいまで水を入れ、竹の棒でかき混ぜて完了。メタン菌の活躍でタンクの上部にヌカの層ができて、ふたを押し開けるくらい膨張してくる。だから、ふたはきちんと閉めずにのせるだけにしておく。前回の液肥の説明の時、水をいっぱいまで入れると書いたが、それは誤りで8分目くらいにしてください。何日かして、あまり膨張しないようだったら、その時にまた水を足せばよい。


 今日、液肥を担いだのは、明日は雨の予報だったので、今日施しておけば、水で薄めることもなく、ダイコンにもすぐに肥料効果が出るだろうと思ったから。液肥は使った量にかかわらず、ヌカとナタネカス(4対1くらいの割合)を適当に補充して水を8分目ほどまで入れて、よくかき混ぜておく。液肥は1日早く仕込めば、それだけ早くできあがるので、使ったらすぐに元通りにしておく。メタン菌は35度の時、最も活躍するので、これからは1日ごとに温度が下がるので、1日でも早く仕込んだ方がよい。仕込めば、後は寝て待つだけである。液肥はどのような状態になったら完成というのか、いまだによく判断ができない。自分の場合は仕込んでからの日数で判断している。臭いではなかなか判断ができない。


 仕込んでからの日数といっても、種菌として液肥を半分残すか、それとも3分の1くらい残すか、それとも4分の3ほど残すかによって、出来上がりの日数も異なる。ボクの場合は、少なくとも種菌として液肥を半分(250リットル)は残すので、次の出来上がりが早い。液肥の失敗か成功かは作物の出来具合で判断するしかない。堆肥作りと違って、液肥作りに失敗はない(ごく少ない)と思う。きちんと一定量(自分の場合はサツマイモ等を除いて、150センチ幅で17メートルほどの畝に2荷施すことにしている)施したのに、キュウリの葉が薄い(黄色っぽい)と思えた時などは、液肥タンクにナタネカスを少し補充しておく。ヌカにはリン酸成分だけでなく、窒素分も少し含まれている。


 今から20~25年ほど前までは、今のように、ヌカが一般に出回ってはいなかった。農家では精米機を各家に持っていて、それで精米をしていた。今のようなコイン精米機をしばしば目にするようになったのは20年ほど前からである。それを契機に、ヌカが無料もしくはごく安価に出回るようになった。ならば液肥を利用しない手はない。一昔前までは、液肥の原料になるヌカが家から外に出なかった。野菜のぬか漬けに利用したり、残飯等を堆肥化する時に用いたり、肥料にしていた。だから、液肥に使えるようなヌカは残っていなかった。つまり、液肥という概念が生まれる素地は全くなかった。現在のように大量のヌカが無料もしくは安価で手に入るなら、ヌカが主体のメタン菌液肥をもっと利用する人が出てきてもよいように思う。でもこの液肥はかなり臭うので、住宅の近くでは使えないし、やはり「担ぐ」という行為が、負担に思えると使えない。また、液肥を担ぐという行為が継続してできるのは、作付面積が30アールくらいまでだと思う。それ以上の面積になると、自分でも担ごうとは思わない。


 ダイコンとカブの種蒔きが終わると、秋冬作の天王山が終わったような気がする。現在は野菜の個人客は10軒ほどしかないので、ダイコンとカブの占めるウエートは小さい。でもこんなにも、ダイコンとカブに力が入るのは、失敗する確立が高いという危機意識と、秋冬野菜のキングとしての認識からだろう。


 

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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


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