あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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レタスの定植

 昨日、近所のおばさんが、イチジクと干瓢の芯をもってきてくれた。9月はイチジクの季節である。ボクもイチジクを2本植えているが、自分の口に入るくらいで、家に持ち帰って家族の口に入るほどは取れない。というのは、イチジクはカラスの好物なので、熟しておいしくなると、カラスが盗んでしまう。だからボクは、カラスに負けまいと、まだよく熟していなくても、口に入れてしまう。カラスに負けまいと思うと、1日おきに、イチジクの木を見回る必要がある。そんなに暇にしているわけではないが、イチジクの木はトリ小屋の東にあるので、トリにエサをやるついでに見回る。もう1本は、物置の近くに植えている。


 イチジクは蜂も好むので、イチジクの実を取る時は蜂に注意する必要がある。プロのイチジク農家は、ネットで、イチジクの木を全て囲んでいるが、蛾や害虫避けの他に蜂よけにもなるのだろう。


 イチジクの周囲に網を張れば、カラスは防げるので、そうすればよいのだが、その一手間がかけれないのと、カラスに一歩先んじて取ればよいと放任している。


 イチジクと干瓢の芯を持ってきてくれたおばさんはすでに80才を超えているが、家庭菜園に精を出し、残った野菜は夕市で売っている。一昔までは、家の軒先に干瓢を干しているのが、夏の朝の風物詩であり、小学校の頃の夏休みには、干瓢剥き機で、干瓢をむいたり、干瓢を干すのを家でもよく見ていた。干瓢は、お寿司か巻寿司にしか使わないから、一昔前には、春と秋のお祭りや、田植え後の「しろみて」や、稲秋後の骨休めや、子供の学校の行事の時などに、どこの家でもお寿司や巻寿司をしばしば作っていたのだろう。今のように外食などという機会はほとんどない時代だったから、それぞれの家で、「はれの日の大ごちそう」として、お寿司が位置づけられていたのだろう。そのなごりなのか、今でも近所で干瓢を作っている人が何人かいる。風に吹かれてゆらゆらしている干した干瓢をみるのは、なかなか風情がある。でも、こんな情景も後10年もしないうちに、目にすることはなくなるだろう。ボクも干瓢は作ったことはない。トウガンよりもう一回りも二回りも大きい。干瓢むき機でむけなくなった残りの芯の部分を煮て食べる。味はトウガンに似て淡白な味である。マルミさんは、実家のおばあさんがよく干瓢を煮て食べさせてくれた思い出の味であると言って、何日間かかけて一人食べている。


 夕方、レタスを定植した。


(1)レタスを定植したら、黒い寒冷紗で1週間ほど覆い、日除けをする。


(2)この時期は特にコオロギが多いので、あぜ岸(コオロギの隠れ場)の近くに定植するのは避けて、なるべく田んぼの真ん中あたりの畝に植えると、コオロギの害が少なくなる。


(3)失敗した場合のことを考えて、苗を全て植えてしまうのではなく、半分ほどは残す。うまくいった場合でも、植えつぎ(欠株に補充)苗は少しは残しておく必要がある。


 以上の3点は、自分が何回も失敗して、苦い思いをして、身体で覚えこんだ点である。農業は書物や指導者(先生)から学べることは少ない。自分で一つ一つ経験をかさねて、身体に覚えこんでいくしかない。「百姓に学問はいらん」と昔の人は言ったが、これは、農業は、耳や目や頭で覚えるものではなく、身体(手や足)で覚えるものだということを、そう表現したのである。


 レタスの定植に関するもろもろのことは、1年のうち9月10日前後の4~5日にしか経験することはできない。次に同じことを経験するには、また1年という歳月を待たなければならない。温度という気象条件が刻一刻と変化するので、2回も続けて経験することは不可能であり、次は1年後のまたこの時期にしか経験できない。農業は基本的に1年に1度しか経験できないから、時間がかかってしまう。大体は、春と秋の2回蒔ける二期作(レタスの場合は三期作)であるが、発芽条件や成長スピード、成長後の収穫適期幅などが異なるので、春は、春の1回だけ、秋は秋の1回だけしか、経験を積むことができない。つまり、年に1回の経験しかできない。その間に本など読んでも、かゆい所には手が届かない。その時期その時期の田んぼで経験をするしかない。


(1)高温期にはレタスの種は発芽が悪いが、当地では、8月20日を過ぎれば、露地にいきなり蒔いても発芽する。例年、8月のお盆明けの8月17日~8月22日頃までにニンジンを蒔くので、田んぼの都合上、ニンジンの隣に畝立てをして種を蒔く。種を蒔いたら、強い夕立や日除けのために、「もみがら」や「くん炭」をふっておく。そして、コオロギや日除けのために、ネットでトンネル状にして覆う。こんなことは、本では学べない。


(2)レタスはダイコンやカブやハクサイやキャベツができる11月以前の10月中下旬に食べれるようになるのがごちそうである。夏の間食べ続けたエンサイやツルムラサキに少々飽きがきているが、霜にあたらないとおいしくならないダイコン類や、ホウレンソウはまだ生育途上・・・そんな時に、ワンパックで存在感を高めるのがこのレタスである。レタスは霜にも弱いので、10月中下旬~11月中旬に出荷をするのが理想である。11月中旬以降、ハクサイやキャベツと重なりだすと、箱に入るスペースがなくなってしまう。つまりレタスは、春夏野菜と秋冬野菜の端境期を代表する野菜と言える。


(3)10月中下旬から収穫しようと思えば、どうしても8月20日~8月25日頃までに種を蒔く必要がある。これより早ければ発芽が悪いし、これより遅ければ、収穫期が11月上旬にずれてしまう。ボクは「丸レタス」「サニーレタス系」「コスレタス(半結球レタス、炒めたり生食)」の3種類を同時に蒔くが、それぞれ熟期が違うので、1週間~10日ほどずれて、順次収穫ができる。


(4)11月上旬に冬越しのレタスを蒔き、3月上旬に定植し、5月上中旬に収穫。レタスは小苗の時は寒さに強いが、霜よけと2月のヒヨドリ避けに簡易なべた掛け資材をかぶせる。


(5)4月上旬に簡易なポリのトンネル(保温)の中に種を蒔き、4月末に定植をして6月梅雨入り前に収穫。梅雨に入るとレタスは腐りやすい。


 農業は、とにかく自分で作りながら一つ一つ覚えていくしかない。書物などから学ぼうとしても、時間ばかり費やして役には立たない。まずスタートをかけて、その過程で近所の家庭菜園の人に聞いたり、知人や友人や親戚の人がいるなら電話で尋ねたり、近くなら教えてもらいにいったり、誰か知っている人を紹介してもらったりしながら、スタート時の1~2年(つまり1~2回)を誰かに実地指導を受けることができれば、後は自分で経験を積み重ねていくことができる。その場合は、自分の農業予定地のできるだけ近くで、そのような人(場所)を探した方がよい。気候や温度のこと、害獣のこと、水まわりのこと、人間関係でも、そうした方がより早く農業が形になると思う。


 ボクのように120本ほどしか定植しないなら、レタスには全く病気も害虫もこない。農業をスタートした年、レタスには全く害虫がこないと聞き、そして実際にそれを体験して、とても不思議に思った。アブラナ科(ダイコン、カブ、ハクサイ、キャベツ等)にはありとあらゆる害虫が大挙して押し寄せてくるのに、なぜレタスを虫が嫌うのか、いまだに不思議でならない。その他、葉物野菜では、(1)エンサイ (2)ツルムラサキ (3)青シソ (4)ホウレンソウ (5)シュンギク (6)ネギ にもほとんど虫がつかない。病気もほとんどない。作り安い野菜も数多い。でも大面積でつくるとそうではないようである。特定の一種類を大面積というのは、やはり、自然の摂理に反しているのだろう。


 作る上で困っている野菜は


(1)アブラナ科野菜・・・害虫が多い


(2)タマネギとジャガイモ・・・病気が必ず発生する


(3)ナンキン・・・病気が必ず発生する


 アブラナ科野菜は5種類しか作らなくなった。ダイコン、カブ、ハクサイ、キャベツのアブラナ科四天王と、ブロッコリーだけである。アブラナ科四天王は、秋冬野菜のワンパックに欠かせない。他にも、秋冬野菜のワンパックに欠かせないレタス、ホウレンソウ、ネギ、シュンギク、ニンジン、サトイモ、サツマイモがあるので、他のものはワンパックからはみ出てしまう。
 
ミズナ ナバナ コマツナ ターサイ タカナ コウサイタイ カリフラワー チンゲンサイ 等もすべてアブラナ科野菜であるが、これらのものをごちゃごちゃと多種類作ってもワンパックに入れるスペースがない。害虫を大量生産するようなものである。害虫の多い作物は品目と作付け面積を「ぎりぎりまで」しぼる。面積が少なければ、日々、害虫の発生状況を見回ることができるし、ネットなどで防御することも、そんなに手間ではない。


 春のアブラナ科は、冬越しの春キャベツとコマツナ(小、中、大株の随時取りができる品種)の2種類しか作らないので、面積がごく小さく、ネットで害虫を防ぐ。春のアブラナ科は、キャベツ以外はすぐに「トウ立ち」するので、ワンパック宅配では少ししか作れない。

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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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