あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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詩集

 先週の金曜日の山陽新聞に、詩集を出されたKさん(37歳)という方が、顔写真と共に大きく紹介されていた。遠くないので、近いうちに訪問させてもらおうと思う。新聞によるとKさんは、

(1)27歳の時、結婚を機に職場を退職。「百姓こそ人間本来の姿」と悟り、岡山県美作市で自然に囲まれた生活をスタート。

(2)その後、赤穂市福浦でも暮らし、農業だけでなく、貝堀りと魚釣りも生業としてきた。

(3)今春、「周囲の雰囲気が気に入った」と、備前市内でも最も辺境な集落に引っ越して来られた。

 
晴耕雨読の生活でつづってきた詩がたまり、71編を選んで詩集を編むことにした。タイトルにも選んだ「おきなぐさ」は、大地に根を張る野草の力強さを語りかける。Kさんは、「自分の思っていること、考えていることを箇条書きにしていたら、詩のような形になった。大勢に読んでほしい」と話している。「おきなぐさ」は、120ページ、1500円。問い合わせは、近代文芸社、03-3942-0869

 
 新聞を読んでいたら、Kさんに関する、小さな物語が書きたくなった。Kさんは結婚退職後の10年間に、3度住所を変えられている。
 捜し求める「安住の地」に巡り合うのは、捜し求めることが目的であり、巡り合うことは難しいように思う。過ぎ去ってから「長く住んだ場所」が結果的に、本人にとっての安住の地ではなかろうか。


 生まれ育った都会を離れて、田舎へ移り住む人にとって、自分にぴったりの田舎に、最初からめぐり合えることは少ないと思う。Kさんのように何回か移住地を変更して、やっと自分の落ち着ける場所が見つかるのではなかろうか。
 
 
 自分の農業仲間にも、当地が2回目の入植地という方がだんだんおられるので、その土地の水や空気が、自分に合うかどうかは、やはり数年住んでみないとわからないのだろう。


 自分はもともとの田舎育ちであり、自分の住所地について、深く思いをめぐらしたことがない。故郷は好きな場所ではないが、嫌いな場所でもない。とにかくこの地は「動くことのできない場所」であり、ここを動くと、自分が自分でなくなる。


 7年暮らした大阪では、浮遊状態だった。いつも浮き草のような感じだった。仮の宿という意識がずっとあった。いつか近い内に、自分の生まれ故郷へ帰るだろうと思った。
 
 
 大阪の職場でも岡山の職場でも、サラリーマンの時もずっと浮遊状態だった。何回職場を変わっても、自分のいる場所ではないような気がした。職場に居場所が作れなくても、生まれ故郷の家という「絶対の居場所」があった。だから、住む場所については、自分は考えたことがない。思考の中断ではなく、これは自分の中での「絶対神」なんだと思う。
 
 都会から移り住んできて田舎の住所地を何回か変わっている人を見ると、早く「安住の地」が見つかればいいなと思う。安住の地を追い求めても、ある程度の年齢がくれば、もうその場所を動けなくなる。安住の地を追い求める余力がなくなる。仕方がない、もうこれくらいでと妥協点を探す。もう若くはないんだと悟らされた時、その地が、いやがおうにも「安住の地」と決まる。誰も皆、そのようにして決まるのではなかろうか。

 
 自分が親しく付き合っている人は、都会から田舎へ移り住まれた人であり、田舎から田舎へと移り住まれた人である。彼らから見たら、ボクの立場がものすごく恵まれているように見えるのだろうか。それとも彼らは、ボクのように、「土地に対して絶対神的なもの」を持たず、「心」を中心に考えているのかも知れない。
 
 
 自分の場合は、「心」より、「動かない土地」である。配偶者や子供や親や兄弟との別離はあっても、土地との別離はない。土地との別離が生じるのは、自分がこの世界から消滅する時である。つまり自分にとって、生まれ育った故郷の地こそが、自分の生きていく柱である。

 
 不確かな自分、職場に居場所が確保できなかった自分、それでも生きていかなければならない。そのためのよりどころは、「さまよえる心」ではなく「動くことのない土地」である。


 よりどころとするところは、人それぞれ違う。でも、自分が訪ねてみたいと思うのは、何回か田舎を移り住んで当地に来られた人である。その人たちに共感することが最も多いから。


 明日、訪ねてみようと思う。「農業を主体としない(農業に依存しない)田舎暮らし」を選択されているようだ。17年の農業経験から、農業を主体としない田舎暮らしの方が良いのではないかと思う。あくせく農業をしても、「100万にはなかなかならない世界」である。同じ100万を稼ぐなら、農業以外の稼ぎ方があるのではなかろうか。農業は、できれば「食べ量」くらいにとどめて置いた方がよい。

移住地での新しい出発。でも、あなたはまだ37歳。ボクが農業を始めた年である。


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  • 2007/05/29(火) 06:41:56 |
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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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