あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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黒マルチを考える (3)

(2004年、春)

今年初めて、生分解性マルチ(地中の微生物が分解するマルチで、デンプンやトウモロコシを原料として作られている、土に戻るマルチのことを言う)を買った。0.02ミリ 150幅、200メートルで7400円也。通常の黒マルチはこのサイズが2000円ほどなので、何と3.7倍の価格である。
 
 廃棄処分料と、はがす手間を考えると、2倍くらいの価格差で収まるなら、すべて、土に戻るマルチに切り換えたいと思うが、3.7倍となると、ちょっと考えざるをえない。しかし、農業仲間が、土に戻るマルチを試用してみると言うので、自分もそうすることにした。有機農業者は、除草剤は使わない。かといって、敷き藁にすると、手間がかかり過ぎる。
 
 とりあえず、スイートバジルとサツマイモに使ってみた。マルチを敷く(土を覆う)段階では、生分解性マルチもポリマルチも、手間はほとんどいっしょだった。しかし、定植する段になると、生分解性マルチは、ていねいに破らないと破れが広がる。ポリマルチの方は少々乱雑に扱っても、破れは広がらない。その分ちょっと神経を使った。今後、どのような分解を始めて行くのか、少し楽しみでもある。説明書には、①展張後のフィルムは、天候、地温、水分、微生物の活動が原因となり、場所により分解速度が異なることがあります・・・。②一度開封したフィルムは開封後、生分解を始めますので使い切ってください・・・。と書いてあった。

自分のように、少量多品目、ごちゃごちゃ作りだと、200メートルを一度に使い切るというのは難しい。今回はスイートバジルに50メートルほど使い、サツマイモに80メートルほど使う予定なので、残りの70メートルほどは、新聞紙で二重に包み、冷暗所に秋まで置いて見ることにした。


 2月末には秋冬作を片づけて、春夏作の準備のために田んぼを耕す。その時、田んぼの黒マルチも片づけて、納屋に保管しておく。引き取り指定日に購入先へ持って行き、引き取り料(廃棄処分料)を支払う。黒マルチだけでなく、透明のポリや、ブルーシート(ワラなどの雨除けのテント)なども引き取ってもらったので、合計で4231円。引き取り単価は、キロ50円なので、約80キロあった計算になる。以前は、キロ35円だったので、廃棄処分料は年々上がっている。農の現場から出る大量の産業廃棄物を、自分は毎年、こんなに出し続けている。安全な農作物を作っているという表のキャッチフレーズとは逆に、裏では、環境を破壊する資材を大量に使い捨てにしているという矛盾・・・。

ハウスに使った後の、大量の廃ビニール(透光率が悪くなるので、通常1~2年で新品と交換する)。各種トンネルに使うビニールやポリ。除草目的や水分保持のために、作物を植える畝を覆う黒マルチ。保温や霜よけ、鳥除けに使う、べた掛けの、ごく薄い毛布のような資材。堆肥やワラ、農機具などの雨除けのブルーシート。農の現場から出続けている、これらの大量の産業廃棄物に対して、まだ何らの規制があるわけではない。声高に論じられることもない。安全な野菜を食べるために、農薬や化学肥料は直接関係してくるが、ビニールや黒マルチは直接には関係ない。しかし「有機認証」には、農薬、化学肥料、除草剤だけでなく、農業資材(ハウスのビニールや黒マルチ)の使用の有無を加える必要があると思う。


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 5月21日に写した「野の花」の画像です。真ん中はクローバですが、左右の草花の名前は知りません。

 
 今日は早朝から強い雨だったので、出荷は見合わせた。野菜には久しぶりのいい雨である。雨でも、田んぼに行けば、することはいくらでもある。はたから見ると雨の日の農作業は大変に思うかもしれないが、やっている本人はそんなことはない。合羽を着て、結構楽しく農作業をしたり、田んぼを見回ったりする。

 
 スイートバジルの「植え次」をした。今年はネキリムシが多く、定植苗の3分の1ほどが被害にあった。雨天だから、水遣りをしなくてすむ。

 
 サツマイモのポリを開けて雨水にあてた。4月9日に種芋を伏せてから、初めての水遣りである。冷床(苗床)のサツマイモに水はいらないが、かなり葉が伸びたので水を与えることにした。


 生き物(ニワトリ)がいるので、雨でも1度は田んぼに行く必要がある。コゴメをやり、水を入れ替え、草も与える必要がある。雨だからといって、草をパスするわけにはいかない。逆に言えば、たった30羽だから、少しでも草を刈って与えることができる。羽数が多かったら、草など毎日はやれないと思う。大体、ケージ飼いのニワトリは草は全く食べていない。草を食べているニワトリの卵など、市場には0.01%も出回ってはいない。


 昨日定植したエンサイやオクラを見回った。オクラはまだ少し小さかったが、今日の雨を期待して植えた。雨脚が強かったので、どうかなと思ったが、根元が洗われているようなことはなかった。


 2日前に仕込んだメタン菌液肥を竹の棒で混ぜた。メタン菌液肥はタゴで担ぐので、施す時は結構重労働だが、仕込むのは、ヌカとナタネカスと水を補充するだけだから、10分もかからない。
(1)肥料にカネをかけない。
(2)肥料に手間をかけない。
(3)肥料作りが重労働では続かない。
(4)肥料を他所から持ち込まない。田んぼは鶏糞や牛糞の「ゴミ捨て場」ではない。市販の鶏糞類には、ケージの鶏に使ったいろんな抗生物質や化学薬品の混入が考えられる。


 セイジやタイムの花を摘んだ。花はすでに盛りを過ぎているし、花を長く咲かせておくと、株が弱る。もともと「葉」を出荷するのであり、花茎を摘めば、また新しい茎葉が伸びてくる。雨の日でも、こんな農作業はできる。


 少量多品種なので、5分、10分で終わる小刻みな農作業が数多くある。ここが大規模単作と大いに異なる点であり、一定の動作を長時間する必要がないので、身体のふしぶしが痛くなったり、飽きたりすることもなく、楽しく、次から次の農作業へ移れる。


 どちらかと言うと自閉的なので、週に1度は攻撃的に外に出かけたいと思う。雨の日より雨の翌日の方が、できる農作業が少ない。
 どんな田んぼでも、どんな家庭菜園でも、他人の田んぼを見せてもらうことはとても役に立つ。その人の人生や人生観が田んぼに現れている。


 ある人が送ってくれたミニコミを読んでいたら、イノシシの捕獲のことが出ていた。イノシシの密度が高い山間地で農業をすることは、本当に大変だと思う。自分のように電柵を張ったりする作業が特に苦手な者にとって、山間地での農業は無理である。たいていの人は、農業技術云々の前に、イノシシやシカとの攻防で疲れ果ててしまうのではなかろうか。山間地で農業をするには、害獣の入れないハウスで施設栽培をするか、害獣を捕まえたり、電柵設置等がそれほど負担にならない人でないと難しいと思う。


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コメント

雨が降っていてもぬかるんでいても、野良のパトロールは欠かせませんからね。

  • 2007/05/26(土) 06:50:00 |
  • URL |
  • 野良仕事研究家 #-
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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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