あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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ワンパックの純売上金額

 希望を抱いてワンパック宅配をスタートしても、すぐに、個人客はなかなか継続して購入してくれないということがわかるだろう。家族構成を考えて見ても、今は多くても4人家族であり、3人家族も減り、シングルや2人家族が、日本の家族構成の半数以上を占める多数派にすでになっているのではなかろうか。こういう家族構成の所にワンパックを送っても「食べきれない」「残ってもったいない」というこ事態がいずれ生じてくる。そして、10年という歳月が経過するうちに、いつの間にか家族が一人減り、二人減りして、もうワンパックを送ってもらっても十分活用できない・・・という気持ちになりそうな気がする。
 お客が減れば、新規の顧客を開拓するための時間と経費が必要になる。顧客開拓のための「営業活動」は農業においても、し続けていかざるをえないと思う。 
 ボクの個人客はすでに10軒ほどしかない。スタート時は50軒を目標にスタートしたが、最大の顧客の時でも40軒には届かなかった。現在は、業務用のイタリア料理店の顧客が30軒ほどあるので、月間のワンパック送付数は80パックほどである。月間に80パック送ろうと思えば、週間では20パック送る必要がある。ワンパックをしている人は月、水、金の週3回の出荷が多い。まだ農業の経験のない人はこの点がわかりづらいかも知れませんが、キュウリでもナスビでもオクラでも2日に1度は収穫しないと大きく成り過ぎて作物に負担がかかってしまい、次々と成らなくなる。自分の場合も、土曜日、日曜日と2日間収穫をしないが、最盛期には、キュウリやオクラは大きく成りすぎる場合がある。逆に、11月、12月、1月、2月の4ヶ月間は、キュウリやナスビのような、次々と成る野菜はなくて、ハクサイやキャベツのように、1個収穫したらそれで終わる作物がほとんどである。そして、冷蔵庫のような戸外で、11月~翌年2月の4ヶ月間にわたって、少しずつ少しずつ出荷されるのをじっと待つ。


 先ほど書いた、週に20パック送ろうと思えば、月、水、金の出荷だから、1回の出荷で6軒もしくは7軒は送る必要がある。6軒、7軒、7軒で20パック。あるいは7軒、6軒、7軒でも20パック。注文の電話がコンスタントに入ってくるわけではない。しかし、1年もすれば、顧客によって注文パターンが読めてくるので、今日頃、この顧客から電話が入るのはずなのに、入らなかったりしたら、こちらから電話をして、注文がないかどうか伺う。春からパソコンを利用したIP電話にしたので、県外へ電話しても、3分間が8円ほどの市内通話料金でかけれる。

 とにかく、出荷の日には、最低6軒にはなるように、少ない時はこちらから電話する。でも今の自分には8軒が出荷の限度である。9軒になると、少し肉体的にしんどくなる。だから、1回の出荷で7~8軒というのが自分のベストである。1回の出荷でコンスタントに8パック送ることができれば、週に24パックで、月間では96パック。5週ある月もあるから、ほぼ100パックである。これが、1回につき6~7パックだったら、週に20パックで、月間に80パックほどにしかならない。ワンパック平均価格は個人用ででも業務用でも3000円~3200円(送料は先方負担。送料込みの総額表示)ほどである。年間で10ヶ月しか送付できない(2月末で秋冬野菜は終わり、冬越しの春野菜は5月にならないと出荷できない。そのため、3月、4月は野菜がほとんどない)。

 仮に限度いっぱいの月間100パック送ることができたとしても、年間10ヶ月で1000パック。ワンパック平均が3000円(送料は先方負担。送料込みの総額表示)とすると、1000パック×3000円=300万円。この金額は純売上額ではなく総売上額である。1パックで、送料800円、箱代120円、その他、種代、農具消耗品代、作業用衣料費、軽四に関するガソリン代、車検料、保険料、税金、他に電話代、事務用消耗品費、そして、減価償却費や振込み手数料(当方負担の場合)も、経費として認識しておく必要がある。

 300万円の総売上に占める経費の割合は、毎年少なくとも3分の1の100万円は越える。つまり純売上は200万以下である。急な、農具の修繕費の発生や、台風による減価償却資産の修理の発生、2年に1度の車検など、年によっては、総売上げに占める経費の割合が半分近くになる場合もある。この場合の純売上は150万ほどである。でもこれは限度いっぱいの月間100パックの計算だから、月間80パックとすると、その8割で、それぞれ、160万と、120万である。

 しかも現実には、台風や水害による出荷野菜の減少があるし、出荷がスタートする春先の5月と、出荷最後の翌年の2月は、送れるワンパック数がどうしても少なくなる。これも考慮に入れる必要がある。年間の「純売上」が100万円の攻防というのは、こういう意味からである。ボクの場合はマルミさんの定期収入のおかげで家計はまわっていったが、これから、ワンパックを始めようかと思っている、30代後半の脱サラ農業希望者の場合、ワンパック宅配農業形態は、経済的にきわめてきびしいと思う。

 有機野菜のワンパック宅配はビジネスとして成り立たないということを、このブログで「疑似体験」していって欲しいと思う。そして、それでも農業に転身したいなら、もっと、いろんな農業形態を選択肢に加える必要がある。田舎暮らしとか、自然の中での生活という癒しのイメージに安易にだまされやすいが、できれば定年まで待って、農業で稼がなくてもよい状態になってから、農業を始めた方がよいと思う。
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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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