あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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資本主義難民

 35歳くらいの年齢で、きちんとした所に勤めていなくて、収入が200~250万ほどだったら、この先、どう生きていったらいいだろう。年齢的にも、希望する会社には、すでに入れない年齢である。
 
 
 誰もが企業組織で働くことに「向いて」いるわけではない。一人で独立した仕事の方に適性がある人も多い。でも、現代という時代は、農業者や大工さんを含めて個人事業がまるで成り立たない時代である。

 
 農業、特に有機農業系の人の多くは、資本主義というシステムのワク外の価値観で生きているので、収入よりも、自分の生き方とか生き様、人生観を重視する。だから、組織人がいくら稼いでいようが、関係ないし、興味もないのである。しかし、
資本主義というシステムの中で生きているのだから、人並みに稼ぐことができないならば、状況は徐々にきびしくなる。

 
 50才が過ぎて、さしたるたくわえもなく、働いても、働いても、あまり稼ぐことができなくなった人々は、この資本主義社会の片隅で、どう生きていったらよいのだろうか。

 
 かつて、古き良き時代の「逃亡者」、リチャードキンブル(デビッド・ジャンセン)は、ジェラード警部の執拗な追跡をのがれて、最後まで逃げ通せたが、現代の我々は、資本主義社会から逃亡することはできない。

 
 共産主義という社会システムからは、多くの共産主義難民が、船で、あるいは「ベルリンの壁」を乗り越えて脱出した。しかし、資本主義というシステムには、敵が見えない。だから、戦うべき、あるいは、逃げるべき対象がはっきりしない。つまり、「見えざる手」によって、自分たちは、がんじがらめにされている。

 
 働かなければ食べていけない。でも働きたくても働く場所がない。働いても働いても、稼ぎが多くない・・・。こんな資本主義難民は、どうすればよいのだろう。かつて、共産主義難民は、自由の女神、アメリカ合衆国をめざした。しかし、我ら、資本主義難民に逃げ場はない。
 
 
 努力が足りなかったわけではない。人並み以上に努力はしてきたのである。しかし、中年になって、気がついてみれば、自分がいつのまにか、稼げなくなっていたのである。いったん稼げなくなると、「稼げない」という悪循環が繰り返されるようになる。働けど働けど、わが暮らし楽にならず・・・、こういう悪循環のサイクルに取り込まれた資本主義難民は、一体、どう生活を組み立てていったらよいのだろう。

 
 資本主義というシステムは、「食」を自給しようとすると、あべこべに高くついてしまうという社会に変えてしまった。そして、もう一つの自給自足の柱であるライフラインを、全く自給自足できないように、封じ込めてしまったのである。まさに、自給自足の2本柱である「食の自給自足」と「ライフラインの自給自足」という手足がもぎとられたのである。この点で、50年前と比較して、時代は進歩したのではなく、生きづらさという観点から見ると、かなり後退している。

 
 
たった50年ほど前までは、世界中の多くの人たちが、独立した個人事業家(独立自営農民)だった。大多数の人が特定の組織に属して働くようになった歴史は、まだ、40~45年ほどである。組織(企業)は、上下関係や地位の差別を必然的に生じさせる。組織には組織の論理(正義や道徳より利益が優先される)があり、1人の人間の生死にかかわるようなことであっても、組織の論理が優先される。昔の軍隊のようなもの・・・と言えば言い過ぎだろうか。
 
 
 自分は今、農業が継続できる環境にあり、恵まれていると思う。30代半ば以降もサラリーマンという組織にとどまり続けていたら、組織人としての自分の能力のなさと、他の組織人との賃金の比較に終始する人生を続けているような気がする。

 
 現在の自分は、農業者として誇りを持っているし、収入の低さは日々の充実感がカバーしてくれている。

 
 一口に農業者といっても、その能力や目指す方向は千差万別である。一つ言えることは、十数年の農業生活の間に、知らず知らずの内に、当人の得意な(苦手でない)方向に、シフトしているものである。農業には数多くの土俵があるから、自分のがんばれる土俵を、とにかく見つけることである。自分の土俵が余り収入につながらない土俵であっても、それがあなたの土俵なら、その土俵で続けるしかない。あまりよそ見をしても仕方がない。よそ見をしすぎると、意志がぐらつくし、よそ見をしなければ、井の中の蛙に陥りやすい。とにかく「農業を続ける」ことが大切で、続けてさえいれば、自分のできそうな方向にいつの間にか舵取りしているし、今現在の農業形態や農業ライフが、つまるところ、現時点での最も得意な土俵と言える。


 自給自足主義が壊されて、歴史の次の進歩の段階として、資本主義というシステムが台頭した。その過程で、共産主義というシステムも台頭したが、自分の目指す道は、資本主義でもない、共産主義でもない、もとの自給自足主義である。

 
 歴史は繰り返すというが、戦争は繰り返しても、果たして自給自足の時代がまた繰り返して出現するだろうか。
 
 
 
自給自足のビジョンが自分にあるわけではない。そういう生き方や暮らし方をされている、あるいは始められた方を、日帰りできる範囲で、10人ほど知っているので、その方たちを紹介させて頂く過程で何かが見えてくると思う。

 

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  • 2009/05/23(土) 16:08:01 |
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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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