あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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かぐら街道

 木曾は山の中です・・・。そんな歌をつい口ずさんでいた。行っても行っても、山また山・・・。こんな深い山々の斜面に、現代風な家並みが点在している。こんな田舎では働く所は少ないだろうに、市街地まで、この「広域農道」を利用して通勤しているのだろうか。随分りっぱな広域農道である。その名は「かぐら街道」。農閑期を利用して、この高梁地域に、ここ数年、数多く入植されている「ニューファーマーズ」の方の1人を訪ねて、ここ、かぐら街道を走っている。待ち合わせ場所は、眼下80メートルはあろうかと思える深い谷にかかった200メートルほどの橋を渡りきった所にある小公園。先ほどスーパーで買ったチーズバーガーとおにぎりとコーヒーを持って、藤棚の下のベンチに腰をおろして昼食をとりながら、1時に迎えにきてくれる人を待っている。時おり、車が走る程度で、この15分ほどの間に何台の車が走っただろうかと計算して見るくらい少ない。いったいこの広域農道は、どれだけの人のために作られたのだろうか・・・と、つい考えてしまう。

 
 県下に入植されている友人や知人を訪ねる時、広域農道を走ることがよくあるが、いつ走っても、対向する車の量は少ない。日本が高度成長でカネが有り余っていた時代、「産めよ、増やせよ・・・」の論理で、山村のすみずみまで、このような「広域農道」が整備されていったのだろう。でも田舎に人は定住せず、流出はとどまらない。

 
 圃場整備されて広くなった田んぼや、畑潅(水道のような形で、畑に水を送るための設備)も、次の世代には無用の長物である。無用の長物どころか、圃場整備や畑潅は個人負担金もあるので、支払いは往々にして次の世代まで続くのである。



 (1)   広域農道

(2)  
圃場整備

(3)  
畑潅


 この3つの事業が、本当に、地域の農業にどれだけ貢献してきただろうか・・・。これによって、儲けたのは一体誰だっただろう。整備されればされるほど、まるで反比例するように、農業は顧みられなくなっていった。長期的なビジョンもなく、誰が責任を取るわけでもない。そういう話を持ち出すことさえ「はばかられるような雰囲気」・・・。結局、時の権力と結びついた「業者利益」だけに終わったのだろう。そして、現在、この三事業に変わって過疎地のすみずみまで、張りめぐらされようとしている「下水道事業」。これも、環境問題にあてこんだ「業者利益」。都市の人口密集地域ならいざしらず、このような、人家のまばらな純農村地帯にまで施工されようとしている「下水道事業」。本当に水質浄化、環境保全に役立つとでも思っているのだろうか。何でこの国は、このような「ハード(ハコ物)事業」ばかりにカネを注ぎ込むのだろう。上記3項目が、農業の衰退に何の歯止めもかからなかったように、この下水道も水質浄化や環境保全に何ら役立つとは思えない。でも何にも言えない。言っても仕方がない。無力である。また次の世代へ「負の遺産」を残すのだろう。

 
 こんなのどかな春のような昼時に、何でこんなことが頭に浮かんだのだろう。原因は一つ、この15分ほどの間に、りっぱ過ぎる広域農道を、数えるほどしか車が走ってこなかったから・・・。

(2004年2月)

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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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