あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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川上町 Kさんを訪問 (1)

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 Kさんを知ったのは新聞記事からだった。

 『全国でも珍しい「定年退職者就農システム」の構築が進む川上町で、埼玉県内の元会社員が、第1号として就農することが決まった。既に単身で訪れ、3月には家族も呼び寄せ、有機無農薬農業に取り組む。

 春日部市在住のKさん(52)。大手コピー機メーカーに30年以上勤めたが、「自然の中で暮らしたい」と、50才で早期退職。東京の就農準備校に通い、東北から九州まで就農地を検討した。

 県を通して川上町を知り、昨年九月の同システム推進委員会主催の農業体験ツアーに家族で参加し決断した。推進委のあっせんで同町高山に20アール足らずの農地を確保。今月7日には同町地頭に住所移転した。

 有機無農薬栽培を目指し、同町の有機グループに参加。その応援で草取りなど農地を整備中。「トマト、ナス、シュンギクなどいろんな野菜を作ってみたい。早く軌道に乗せ、将来は50アールほどやりたい」と意欲を見せている。

 推進委は、新年度にも地元受け入れ組織を立ち上げ、就農マニュアルを作る。仲山潔俊推進委会長は「第1号が決まり、うれしい。土地の貸し借りは信頼関係が一番で、今後仲介組織をしっかりさせ、焦らず確実に事業を進めたい」と話している。』

 

 定年退職者就農システム→「定年退職者の就農を進め、農地の荒廃や農村の崩壊を防ぐ。年金や退職金があり、収入が少なくても農業を担う余地があると期待されている。高梁農業改良普及センターや川上町などでつくる推進委員会が、同町で構築を進めている。」

 

 そのKさんに話を聞きたくて、車で2時間半ほどかけて、さっそく訪ねた。Kさんは、子供の頃に、母親の実家で農業を目にしたことがある程度で、農業とは無縁の生活だった。40代になったころから、将来は、自然の中で、自然と共存した生活を送りたいと思うようになり、どうせするのなら、まだ元気な今からスタートしようと、10年後の定年を待たず早期退職した。そして、農水省の外郭団体であり、東京にもあった「就農準備校」に通い始めた。就農準備校は、夜間(6時半~9時)で、1コース2万円ほどで、「作物全般コース」、「経営コース」、「農業実践コース」等があり、最初は作物全般コースへ入った。その後、経営コース、農業実践コースと進んだが、農業実践コースは、5ヶ月間、月に1回、実際に農家で実技指導を受けることになっていたが、同じ受けるなら、3年ほど前から「ワンパック野菜」を購入していた、同じ埼玉のNさんの元で、指導を受けたいと思い、その後Nさんの元に、週に4日ほど、片道20キロ、1年半ほど通われた。そのかたわら、北は宮城県から、南は九州まで、2年半で10万3千キロを走破して、就農地を探してまわった。寝泊りは車の中も多かったらしい。最終的に、岡山で就農しようと決めたのは、気候が温暖で、地震が少なく、あまり寒くなく、雪がつもらず、台風の被害も少ないと思ったからだったと言われる。

 岡山で農業をスタートしようと決めてから、以前通っていた東京の就農準備校の「就農対策部長」に電話して相談すると、岡山出身の農水省の方を紹介されて、その紹介のまた紹介で、高梁普及センターのMさんと出会い、Mさんの紹介で、現在地、川上町を見て回った。
 川上町の農業体験ツアーに、家族で参加してから、家族の同意も得て、最終的に当地に決めたと言われる。その後、借家が見つかったのは11月、借りれる田んぼが見つかったのは12月だったらしい。借家や田んぼは、町の産業振興課の方たちが、個人のネットワーク(友人、知人)の中で探してくださったらしい。こういうことは、個人の力では限界があり、行政の後押しがあったから、借家や田んぼが見つかったと話しておられた。面積も30アール以上確保できないと、「認定農業者」と認められないということだったが、それ以外の面積でも特区申請で可能になったらしい。

 
 
Kさんは、川上町の有機無農薬の営農組合に入ることにより、この農業形態を始めた人が最も頭を悩ます「販路」に関して、すでにこの組合の販路は安定しているのだから、1~2年の内に、今のボクの純売上金額なんか、並ぶまもなく、追い抜いてしまうだろう。認証マークのある営農組合(団体)の販売力や生産力には、たった一人でする個人の販売力や生産力など、及びもつかない。ただ、営農組合となると、肥料の統一の問題、誰が何を作るか野菜の種類の問題、個人の技術力の差、外観の良し悪しの基準設定(出荷可能かどうか)の問題等も出てくるように思う。


 至れり尽せりのように見えるが、Kさんがここまで来る道のりは大変だったと思う。ここまでにかなりのエネルギーを費やしているのに、まだ農業のスタート地点に立ったばかり。そして、こうまでして、県外(都会)から就農希望者を募集しないと、地元では農業を継ぐ人がいなくて、田畑が荒廃するばかり・・・。圃場整備もされ、畑の潅漑設備も整備されて、一昔前とは比べものにならないくらい、農業がやりやすい状態に整備されているにもかかわらず、これに逆行するように、ますます誰も農業をしなくなったという現実・・・。どこかおかしい・・・。誰にも先見の明がなかった。これでは、圃場整備や潅漑設備が「無駄」になっている。土木建設、水道業者が儲けただけである。結局、個人の負担となって返ってきたのである。
 
  圃場整備された田んぼや潅漑設備を、このまま遺棄するのはもったいないので、農業をしたい人を募集する。地元(田舎)にはいないので、都会に募集する。

 岡山ニューファーマーズ制度も、高齢化や後継者不足で崩壊しかけている産地を維持するために、行政や農協が支援して、都会からの新規就農者を募集するという形である。彼らの大多数が成功し、そのシステムに対して「疑問」ではなく「恩恵」を感じるのであれば、同じ農業人としてうれしく思う。しかし、失敗(挫折)した人は表に出ることはないし、そういう人たちの話を聞ける機会もない。
 そして、農業の現場においては、1年1年が瀬戸際なので、現在の成功者が5年後も成功者であるかどうかはわからない。

(2004年、2月)


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突然のご訪問失礼いたしましたm( __ __ )m

今後ともよろしくお願いいたします。


けんたろう

  • 2007/03/28(水) 04:29:33 |
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  • けんたろう@毎月100万稼ぐ男 #-
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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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