あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ

Wさんを訪問 ②

20070127110803.jpg   20070127110832.jpg   20070127110902.jpg

 Wさんの田んぼは、画像でわかるように、かなり急勾配な場所にあります。しかし、田んぼ自体はさほど斜面ではなくて、おおむね平面です。


 Wさんはお1人ですが、年間40万円ほどあれば、生活が楽にまわっていくと言われます。具体的に説明すると、
水代・・・上水道はなく、水は山の湧き水を引いているので無料。
暖房費・・・冬でも灯油などのストーブを使っていないので暖房費が無料。Wさんは化学物質過敏症なので、石油ストーブは使えない。
電話代・・・携帯電話は持っていない。電話代は月間1600円ほどですんでいるらしい。
新聞代・・・購入していない。
プロパンガス代・・・8キロボンベの買取で、年間2600円ほどで収まるらしい。
下肥・・・堆肥にしていると思ったら、衛生業者に取りに来てもらっていると言われる。年間2500円ほど。
インターネットのプロバイダ代金・・・年間に12000円。
ガソリン代・・・あまり遠出をしないようにしているらしい。年間走行距離は3000キロほどでガソリン代は26000円ほどらしい。他に車の任意保険料15000円、車の税金4000円、車検代50000円。
借地借家代・・・大家さんが安くしてくれて月間3000円。かなり大きな屋敷で日当たりもよい。
電気代・・・月間1400円ほど。


 田舎暮らしで一番問題になるのはこの「ライフラインの金額の高さ」だと思うが、Wさんは、この点が徹底的に節約できている。携帯電話を持っていない(ボクも不必要なので持っていない)とか、新聞を購入しないとか、水代がかからないとか・・・。それと車をできるだけ使わないようにしていると言われる。


 次に問題になるのは食生活であるが、化学物質過敏症なので、市販の物はあまり買っていないらしい。野菜は自分が作ったものであるが、Wさんはここに、特筆すべき特色がある。
(1)種の多くは自分で種取り
(2)肥料は他所から持ち込まない。無肥料栽培。
(3)田んぼは耕さない、不耕起栽培。草との草生栽培という自然農法


 つまりWさんの考えは「時間はかけるがカネはかけない」というやり方。一般の農業者とは逆の考え方である。一般的に現代人は、多少カネはかかっても、時間をかけないということを重要視すると思うが、山の上の過疎の山村で生き抜くには、そんな平野部(従来の)考え方をしていては、生活がうまくまわらないと言われる。


 Wさんは東京の一流大学を出た(農業者としては、そんなレッテルなど何の役にも立たないが)インテリである。知性と哲学があるからこそ、こんな山村でも生き抜いていけるのである。社会人を経て27才の時に入学し、入学した3日後に交通事故にあい、化学物質過敏症を発症した。そんな過酷な運命に見舞われなかったら、この人ほどの才能なら、一般社会で相応の地位に上っていただろう。その病気のために都会では住み続けることができなくなり、先の見えない日々をおくっていた頃、田舎暮らしの物件紹介の各県主催のイベントに出向き、千葉から高知へと転出していった。32才の時である。


 朝の食事は抜きで、昼と夜の食事をする。去年は移って来て1年目だったので、米を作ることができず、食べる米がないので、今はサトイモを蒸して主食にし、野菜の青汁を毎日飲んでいるらしい。


 年間40万円もあれば、ゆったりと生活していけると言われる。でも仙人のような生活をしているわけではなく、このうちの15万円は、2ヶ月に1回、奈良の川口さんの自然農塾で、現在は「漢方」の勉強をしているらしい。15万円というのは、年に6回の旅費と宿泊学習費らしい。だから40万円-15万円=25万円で、1年間生活をしているのである。これこそ「田舎暮らしの才能のある人」なのである。この集落では、家は点在していて、高齢化で人は少ないので、1日、誰とも話す機会がないことも多いと思えるが、


(1)孤独力に強い人。


(2)ちょっとだけ器用な人。Wさんはチェーンソーが使えるし、チェーンソーや草刈機の刃が自分で研げる。


(3)食事を楽しめる人。たとえば、米を食べなければならないという意識ではなく、米がなければ、サトイモやサツマイモを蒸したイモ類を主食にする。多くの野菜の調理を楽しむ。菜食主義ではないようだが、主体は菜食。


(4)質素にするのではなく、山村暮らしを楽しむという発想。


(5)ガスや灯油ではなく、主に薪(割り木)を利用している。風呂は割り木で沸かしている。亡くなった大家さんのお父さんが、数年間は使える割り木を残してくれている。


(6)肥料は入れないのだから買う必要はない。種は種取りしているので、買うのは少量。不耕起栽培だから、トラクタ類もいらないし、それらにかかる燃料代とか修理費もいらない。


(7)ホームゴタツも置いていない。寒かったら着込むと言われる。寝る前に風呂に入り、風呂上りはすぐに寝るらしい。


(8)ここではイノシシが頻発するので、電気柵は必須。電柵も器用に張る。この(8)と(2)は田舎暮らしの必須用件なので、苦手なら、徹底した反復訓練と指導を受けてマスターする必要がある。


(9)(1)の孤独力にも通じるが、このような過疎の山村で暮らすには、自分なりの確固とした人生観なり哲学なりが必要である。現在は、本を買ったり、図書館を利用したりしなくても、たいていはインターネットで調べたり、学習したりできる。情報を利用する力さえあれば、大都会に住もうが、山村に住もうが情報格差は生じない。


(10)卒業してすでに10年が過ぎているのに、中学レベルの5教科と、高校の数学なら家庭教師ができると言われる。すごい。週に1回アルバイトをすれば、月間で4万円。年収で50万円ほどになる。Wさんの暮らし方では、これだけ収入があれば十分なのである。


 ライフラインにかかる金額は大都会も過疎の山村も同じであるが、Wさんのように、上水道を利用せず、下水道のない地域に住み(合成洗剤は使わない)、ガス、灯油をほとんど使わず、携帯電話を持たず、電気代はほとんど基本料金で収まり、必要な情報はインターネットを利用し、車の利用は控え、大家さんが親切で借家料は安くてすんでいる。


 今、田舎の過疎の山村では、人を介して探せば、月間5千円ほどで貸してもらえる1軒家が相当あると思う。もちろん、田んぼは無料で貸してもらえる。ただし、イノシシやシカが頻繁に出没するので、電気柵は必須であり、電気柵でも防げない場合もあるようです。これにかかるエネルギーと手間とカネはかなりなものであると覚悟する必要があります。


 Wさんは1人だからできていると考えることもできますが、夫婦で価値観が同じであり、どちらかが、家庭教師とかパソコンの個人教授ができたり、他のアルバイトの口があるなら、農業だけに依存しなくても、田舎暮らしの可能な道が開けてくるような気がします。


1位めざして挑戦中→ranking動くヒヨコ

スポンサーサイト
このページのトップへ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://terayama.blog57.fc2.com/tb.php/169-85b4822a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
このページのトップへ

FC2Ad

プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

QRコード

QRコード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。