今の時期は午後4時頃から田んぼに出る。ニワトリの飲み水を入れ替えたり、液肥タンクを竹の棒で混ぜたり、ちょっと草取りなどをしていると、すぐに5時が来る。5時がまわったら、井戸水をエンジンポンプで散水することにしている。7時がまわると薄暗くなるので、7時頃までの2時間が水遣り時間である。
毎日水遣りをした方がよいが、他の農作業の関係で、毎日というわけにもいかない。水遣り作物は、
野菜類は、キュウリ ナスビ ピーマン オクラ ニガウリ エンサイ ツルムラサキ 青シソ サトイモの9種類である。サツマイモにも水を与えた方がよいが、サツマイモは日照りに強いし、水をサツマイモにまわす余裕はない。
ハーブ類は、レモンバーム レモンバーベナ レモングラス タイム類 ミント類 セイジ イタリアンパセリ スイートバジルの8種類である。ローズマリーは日照りに強いので水はやらない。
野菜が5畝(5アール)、ハーブが3畝(3アール)、合わせて8畝(8アール)ほどが、水遣りができる面積の限度である。
(1)毎日あるいは1日おきに、半分(4アール)ほどずつ、水遣りをしている。
(2)5時過ぎから7時頃までの2時間水遣りをすると言っても、途中でガソリンを補給したり、エンジンを止めて散水ホースを移動したりする時間もあるので、正味の水遣り時間は1時間半ほどである。
(3)2時間足らずで井戸水はからっぽになる。
上記のように、井戸水の量、水遣りにまわせる時間等の観点から、水遣りの必要な野菜とハーブは合計で8アールほどしか作付けできない。だからその8アールほどで収まる範囲内で作付け本数を考える。それぞれの野菜とハーブの作付け本数(作付け面積)を暗記しておくことは、盛夏の水遣り可能面積を把握する意味からも大切な暗記事項である。
農業をスタートした頃には、野菜に、こんなに水が必要だとは、想像もできなかった。16年前には今ほど、夏の高温が過激ではなかったし、「夕立」という恩恵が幾日もあったように思う。現に、エンジンポンプを買ったのは、就農4年目の夏だった。だからスタートした3年間は夕立の水だけで、夏に水遣りをしていなかった。最近は夏の気温があまりに高い。
これから農業をスタートする人は、水をどこから確保するか、考えていた方がよい。川の水をポンプアップするとか、池の水を使わせてもらうとか(稲の水が優先されるので、野菜だと、池の水が使わせてもらえない場合もある)である。田んぼや畑のそばには、たいてい、小さな水路のようなものがあるが、その水路には、稲に水が必要な6月中旬~9月中下旬の3ヶ月間ほどしか、水が走っていないこともある。農業をスタートする時には、水のことまで頭がまわらない(気づかない)が、水は大事なチェック項目である。面積が小さい家庭菜園でも、タゴで川から水を汲んでくるというのは重労働である。最近は、家庭菜園の人でもたいていエンジンポンプで水路の水を散水している。ボクはいろんないきさつから、9年目に入った9月に、田んぼに井戸を掘った。4箇所の候補地を土建業者にためし掘りしてもらって、そのうち1箇所から、地下2メートルの所から地下水?のようなものが出ているのが見つかった。ここに井戸を掘れば、かなりの水が確保できると言われた。27万円かかった。でも、この井戸のおかげで、現在の農業を維持できている。8年目から9年目は、自分の農業に大きな展開があった時期である。
(1)師であるKさんとの出会い・・・多くの農業指導を受けた。
(2)初めて、ハーブのレモンバームを植えた。
(3)ドラム缶炭焼きのイベントに1泊2日で出かけた・・・現在は炭焼きからは撤退した。苦手作業が多々出てくるため。
(4)9年目に入った時、百姓塾を立ち上げた。
(5)水問題でもめた苦しい時期だった。井戸の完成に「未来」を感じた。