あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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ふるさと色川 ③

自分の中の「ふるさとの遺伝子」


 すでに2泊した。今日は帰る日である。前夜もみんなで遅くまでしゃべっていたので、朝、なかなか起き出せなかった。起きたのは8時30分がまわっていた。Oさんに、今日はどこに行きたいかと聞かれて、もう一度Nさんの住んでいたあたりを見てから、昼過ぎの汽車で帰りたいと話した。Nさんが、「銀座4丁目」と話されていた場所、つまり、大野地区の中心街(と言っても、戸数60軒ほどの山村の集落内のことであるが)を、もう一度見ておきたかった。Nさんが、「大野銀座」と表現した理由は、すぐそばに、役場の出張所、農協、消防、森林組合の事務所、郵便局、小、中学校、映画館(今は閉鎖されているが、近くに銅山があり、一時は数千人が色川周辺に住まわれていて、とてもにぎやかだったらしい)があり、Nさんの家の周囲は道路があり、人家にも囲まれていたので、Nさんの保有していた田畑には、「イノシシが出なかった」という、めぐまれた土地であることを、「大野銀座」と表現したのである。この家屋や田畑を、借地借家ではなく購入して入り、6年も過ごしたのに、新天地を求めて、我が家から車で30分ほどの和気郡和気町に引っ越して来られた。この地に入植してきた都市住民は、たいてい、この地に羽をたたみ、出て行く人は少ないと聞いたので、次の新天地を求めて、「ふるさと 色川」を後にした理由を自分なりに感じてみたかった。


 前日の夕方、Oさんが、その日の飲み会のつまみや料理を作ってくれていた1時間ほどの間、歩いて、大野集落をまわってみた。山の急な斜面に家があるので、どの家もすべて石垣があり、その上に家が建てられていた。田畑も同じく、山の斜面の段々畑なので、どの田畑もすべて石垣が組まれている。どこからこんなにたくさんの石を取ってきたのだろう・・・、ここまで持ち上げるのは大変だったろう・・・、いつ頃、この石垣はできたのだろう・・・と、苔むした石垣の古い歴史を感じながら歩いた。そして、集落の一番高い所にある家を過ぎ、またちょっと登ると、まわりがシャシャキで囲まれた、何かの神様を祭っている石の灯籠があった。その小高い丘の上からは、眼下に、この集落が一望に見渡せる。「平家落人伝説」・・・さもありなんと思える、古式ゆかしき石垣作りの60軒ほどの集落が、夕暮れの中、今日の一日を終えようとしている。その丘の上で、何でこの集落に、毎年のように都市住民が増え続けているのだろう・・・と考えたが、よく理解できなかった。(1)もうちょっと便利な、ほどほどの田舎が、(2)もうちょっと農業のやりやすい、サルなどの出ない田舎が、(3)もうちょっと生産性の上がる田畑が、・・・探せば、いくらでもあるだろうに・・・と思った。賃労働に出るにも不便過ぎる。生活していくには、かなり不便な生存環境なのに、毎年の如く都市住民が移住してくるということに、少しカルチャーショックも受けている。ここの人は、そんなにガツガツしていない。それぞれが生活を楽しんでいる。何で、そんなに気負っているのか・・・とOさんに聞かれて、返答に困った。下((平地、平野部)では、もっとあくせくしているし、賃労働に明け暮れている。ここの人たちでも、水(上水道は引かれていないようだった)以外は、ほとんど自給できないシステムに取り込まれてしまっていると思うが・・・。野菜の自給など、あべこべに高くつくのがおちである。
 ボクは、自分の住んでいる田舎以上に山深い田舎には住みたくない。サルやイノシシの出る所で農業などしたくない。できると思えない。
 都会の風景を見慣れた人には、「熊野古道」に沿うこの色川集落の風景は、「心の奥深くにしまわれていた、自分の中のふるさとの遺伝子」を揺り動かされるものであったのかも知れない。


 この集落でも、先に入ってきた人と、遅れて入ってきた人の発言力の差、定年帰農者と現役帰農者の生活レベルの差、農産物の販路をめぐる競争、案外生じやすい親しい人だけの特定グループ、農業を主たる収入とする人と、農外収入を主たる収入とする人たちの意見の食い違い、独身者と妻帯者の間の見解の相違、旧住民と新住民との間の意識のずれ・・・こんなことが生じうると思う。ここに入植(移住)してくる人たちは、それぞれが強い個性の持ち主だから、意見の衝突は、往々にして、人間関係の断絶にもつながりやすい。誰かリーダーシップを取ろうとすれば、煙たがられるのかも知れない。地域で誰もが認めざるをえないような人が、誰もが、あの人ならと、暗黙の了解をもらえるような人が、入植(移住)年度に関係なく、おられるような気がするが、そもそも特定の人のリーダーシップなどいらないコミュニティが、この地ではできあがっているのかも知れない。


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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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