あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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自由の大地に

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 まだ小学生だった頃、近所の30羽ほどのケージ飼いのニワトリを見て「かわいそう」だと思った。でも、年の近いその家の少年が、どのニワトリがどれだけ産んだか、タマゴの個数がわかるし、エサの量もきちんと計算した分量だけ与えられるし、地べたで飼うより、こういう飼い方のほうが「衛生的」で「近代的」だと話してくれた。きっと、その少年の親がそう言っていたのを聞いたのだろう。でもその時ボクは「ニワトリがかわいそう」としか思わなかった。ケージは、ニワトリがやっと入れるくらいの、小さいスペースの檻だったから・・・。40年ほど前の、その会話やその光景を今でも覚えている。当時はまだ、どこの家でも20~30羽ほどずつ、家の軒下のような地べたで飼っていたが、その家では早くもケージ飼いだった。


 昭和40年代の高度成長の時代に、ほとんどの村人は農業の足を洗い、サラリーマンへと収入の軸足を移していった。もちろんタマゴなど、稼いだカネで買った方が、自給する(自分で飼う)より、はるかに経済的になった。時を同じくして、牛も豚も集落から全くいなくなった。


 35才になった春、突然ひらめいたのが「独立自営業」の農業だった。2年後、農業を始めると、ニワトリを飼うのは自然の成り行きだった。最初に入れたのは、32羽のメンドリと3羽のオンドリだった。その後、3~4年に1度入れ替え(淘汰してヒヨコの導入)ながら、ずっと30羽余りを飼い続けている。飼い続けることが負担にもなっていないし、さほど時間も取られていないし、経済的なメリットにもなっていないし、エサにもあまりカネをかけていない。出荷できなかった野菜クズが、糞(肥料)とタマゴに変身してくれる「リサイクル鳥」である。農業とセットみたいな存在なので、農業を続ける限り飼い続けるだろう。


 鳥インフルエンザは、まだ原因がわかっていないので、一つの恐怖ではある。しかし、もし自分のニワトリが感染するようなことがあったら、こういう自然な飼い方はもうできなくなってしまうのではないかと思う。消毒とワクチン、各種抗菌剤のエサや水への投入、ウインドレス鶏舎の狭い檻の中に閉じ込めて、無菌室の状態で飼わざるをえなくなるだろう。50~100万羽単位で飼われているニワトリはこういう飼い方である。99.9%はこういうタマゴであり、残りのわずか0.1%に満たないタマゴが、地べたの放し飼い養鶏のタマゴである。しかし、たった30羽でも、エサの自給は5~6割ほどしかできず、残りは、海外からの輸入物である購入飼料に頼らざるをえない。


 今から40年ほど前まで、家の軒先で飼われていた20~30羽養鶏に戻ろうなどという暴言をいうつもりはない。経済システムがすでにこういう選択をできなくしている。そして、最近の鳥インフルエンザの恐怖が、定年帰農者の楽しみとしての20~30羽養鶏の道を、完全に閉ざそうとしている。



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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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