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あめんぼ通信

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

人生は後20年

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 昨年1年間に世界で新たに設置された風力発電施設の規模は、大型原発15基分に匹敵するらしい。日本は、最も増加量が多かった米国の38分の1だった。

 昨日の山陽新聞に、「国、電力会社常識知らず」とあり、原発周辺の断層評価で褶曲構造無視の安全審査が行われていたという。メンバーに断層のことがちゃんと分かる人がいなかったらしい。中越沖地震は、原発の安全性に関する情報収集力の問題を浮き彫りにした。

 フランスで最も日照時間が長いといわれる南部の都市ペルピニャンが2015年までに、太陽光発電と風力発電だけで、人口約20万人の消費電力を賄うことになった。地球温暖化に向けた世界的な先進モデルになる。(2月19日農業新聞)

 
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 今日の梅。まだ一分咲き。


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 トリ小屋から50メートルほど歩けば山に入り、いくらでも落ち葉をかき集めることができる。農業をスタートした頃は、くそ真面目に落ち葉をかき集め、近所でもらった牛糞や、籾殻、稲ワラ、土手草、落ち葉を、
水をかけて踏み込みしながらサンドイッチ状の小山にして堆肥作りをしていた。しかし2年ほどで止めてしまった。堆肥は発酵を促す意味で1~2回切り返し(天地返し)の必要もあり、
(1)材料を集めるのが一苦労
(2)その材料を踏み込みして積み上げるのが一苦労
(3)切り返しがまた一苦労
(4)施す時がまた一苦労
(5)実際にうまく堆肥になっているのか、判断が難しい
(6)堆肥が出来上がるまでに2~3ヶ月もかかる

 結局あほらしくなり、堆肥作りは長くは続かなかった。


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 オンドリを怒らせるのは簡単である。顔のそばに足を近づけると闘鶏の本能をむき出しにする。

 月末に1泊2日で出かける予定である。当日早朝にエサやりはできるが、翌日は帰りが遅いので丸1日、水もエサもやれない。こんな時は、ダイコン、ニンジン、ヤーコン等を少し多めに与えておく。青菜より根菜類の方が大分腹持ちがよいと思う。水は今の時期はあまり飲まないので、容器をもう一つ準備する必要はない。
 2泊3日だと、これの2倍用意する必要があるが、2泊も外出したのは、この18年間で「ふるさと色川(リンク参照、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)」に遊びに行った1回きりである。

 
 時々、ふと思い出したように、人生は後20年ほどしかないんだなあと思う。現実を信じたくないが、20年後は75才になる。まだ生きているだろうか。自分のことが自分でできているだろうか。
 
 農業は自分なりの到達点を迎えている。当初予想していたより、収入はかなり少ないが、農業生活は充実している。半農半漁のような半農半Xにもっと近づきたいと思う。11月~4月の6ヶ月間は半農半Xに近い。5月~10月の春夏野菜の季節は「草の伸び」が激しいので、それに手間がかかるが、なんとかこの6ヶ月間も農作業時間を削っていきたい。
 
 農業をしゃにむにがんばってみても、収入はあまりアップしないので、自分の時間をもっと多く取れるようにしたい。顧客の数から逆算して作付を決めるのではなく、半農半Xに最も適した定植本数や面積を各野菜やハーブごとに決めて、これには何軒の顧客が必要というふうに逆に考えたい。

 実際今は、楽しい農業ができている。家族の生活費が自分の肩にかかってくれば、その生活費から逆算して仕事を選ぶ必要があるが、自分の身の回りのことだけを考えていればよい境遇である。小遣いと言えば散髪代くらいで他に使うことは少ない。最近はブログ取材に出かけることが多いが、遠方へ行かなければ、ガソリン代、昼飯代、多少の手土産を合わせても、3千円ほどで収まる。その範囲内で楽しみや喜びを見出すようにしている。

 これ以上農業に自分のエネルギーを投入しても、採算が悪すぎる。そして、害獣の増加、気象の変化もあって、今後はもっと作りづらくなる。しかし、農業を手放したら損。18年の経験から、最小限の労力で最大限の収穫を上げる「手抜き」も身体で覚えているし、スーパーの野菜は食べる気がしないので、出荷は止めても自給用は作り続ける。そして現在作っている野菜の種類も減らすことはない。現在の種類はぎりぎりまで絞り込んだ種類であるから自給用にも欠かせない。

 半農半Xに近づけたら、65才になっても現在と同じように出荷もできる。他に収入の道はないのだから、65才の頃まで、最低限の収入の道だけは確保しておく必要がある。

 定年帰農者の場合は農業収入に依存する必要はないから、楽しい農業ができると思う。現役帰農者はそうはいかない。農業の世界で稼げる金額は個人差が大きい。スタートして2~4年もすれば、農業の世界でどれだけ自分が稼げるかわかってくるだろう。

 
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 ロケットは少々「トウ立ち」しても、出荷している。トウ立ち部分だけ切り除いて出荷している。
 ロケットはハーブであるが、ワンパック宅配をしている人は、たいてい作っている。生食、おひたし、炒め物と3用途に使える重宝な葉物である。ハーブでは数少ない「アブラナ科」に属するが、アブラナ科の中では最も虫害が少ない部類である。強い「ゴマ風味」をダイコンサルハムシが好まないのかも知れない。しかし、他にアブラナ科野菜がなければ被害が出る。
 ロケットは白い清楚な花もきれいで、3月中旬~4月中旬の1ヶ月ほど楽しめる。寒さがやわらぐ3月になったら、じゃまにならない個所に植え替えれば、花が楽しめ、花もゴマ風味があってサラダに散らすとおいしい。その後、梅雨入り前に「種取り」もできる。


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(今日の夕飯)
ハクサイの水炊き・・・トーフ、シイタケ、野菜天、糸コンニャク、豚肉少々(ユズ酢醤油で食べた)


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養鶏農協が消えた

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 今朝は大雪だった。だから今日の出荷はできなかった。
午前中は軽四が通れないと思い、午後3時頃、ニワトリにエサをやりに行った。

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 左はネギ、真ん中はタマネギ、どちらも雪の上に元気に顔をのぞけていたが、ホウレンソウやロケットは雪に埋もれていた。

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 雪は風情。枯れたスイートバジルと、葉の落ちた柿の木がきれいだった。右は池の土手から写した。池の土手がまたイノシシにかなり掘り返されていた。雪が積もっているのにはっきりそれが見てとれた。野菜の被害はまだ今の所ない。


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 卵を8個産んでいた。この寒いのによく産んでくれる。産卵率は3割弱。数日前、もらっていた黒大豆のクズを圧力鍋で煮て与えたので、その効果があったかもしれない。最近のエサはコゴメと、変形ダイコンや変形ニンジン等の野菜クズである。

養鶏農協が消えた(日本農業新聞1月20日付)

 兵庫県最大の鶏卵産地、姫路市夢前町の養鶏農協が20日、50年を超す歴史の幕を閉じる。組合員1人を残して全戸が廃業したためだ。
 組合の誕生は1953年。ピーク時には約500戸の農家がいた。しかし、高齢化や後継者不足、卵価の低迷などを理由に組合員数は減少。これに飼料価格の高騰が追い打ちをかけ、ついに昨年末、残された3戸のうち2戸が廃業し、組合の解散が決まった。
 
 今、養鶏、酪農、稲作の人は本当に大変だと思う。

 野菜ももちろん甘くない。自分の場合、ニワトリは野菜クズのリサイクルが目的で飼っているし、野菜とハーブの規模は小さいし、稼ぎも少ないし、それほど設備投資もしていないので、いつでも廃業できそうだが、この年になっての転職はきびしい。

 
 世界の穀物市場の高騰のあおりを受け、しきりに食糧自給率の向上が叫ばれているが、農家は「笛吹けど踊らず」である。
 野菜に関しては、規模拡大や新たな設備投資や、新規参入は、危険極まりない冒険と思う。理由は
(1)地球温暖化による異常気象頻発と、今後増大の恐れ
(2)上記理由によるハウス設備等の破壊の恐れ
(3)原油価格の高止まりによる、農業資材の高騰
(4)イノシシ、シカ、サルの限りない増加
(5)中国野菜との競争

 仮に中国野菜が入らない(輸入できない)ことにでもなれば、逆に、農家はもっと困った状態に陥る。野菜の需要と供給のバランスが崩れ、完全な成長を待たずに、奪われて(盗まれて)しまうだろう。田畑はセキュリティの全くきかない空間である。中国野菜がいっぱい入ってくる現在の状態の方が農家は安泰なのである。

 いずれにしても、農家によい状態などめぐってこない。

 今、農家に必要なことは、現状維持だけを心がけ、中間業者を通さない直接の販路を確保することだと思う。



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(今日の夕飯)
ハクサイの水炊き・・・豆腐、野菜天、鶏肉少々
ユズ酢醤油で食べた。
市販のチーズコロッケ


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今日のひとりごと

 定年帰農で60才から農業をスタートする場合、とても新鮮な気持ちになると思う。ただ、残り何年元気に農業をできるかは人それぞれである。平均寿命等から考えて12~13年であり、長くて15年ほどではなかろうか。 田舎移住は、残りの年数を計算してのことになると思う。
 
 自分の場合はいつも、人の最後尾を付いていくような人生だったが、農業に転身してしばらくしてから、やっと人並みに安定した職業につけたような気がした。
 
 60才になった時、23年の農業経験が積めれていることは、現在の世の中では、一つの大きな財産だと思う。
 
 農業は確かにカネにはならないが、自分自身を誇り高く保つには最適の職業である。一流企業の取締役という肩書きよりも、現在の農業という職業に気高い自負を感じている。土の大地を踏みしめてきた自信だろうか。
 経済面から自分は農業を否定的に捉えているが、最低限の生活が成り立つなら、これほど自分自身の独立と尊厳を保てる職業はないと思う。
 
 
 
 農業新聞に「わたしと食」というコーナーがあり、ご飯の味の違いについて書いていたが、自分はご飯の味の違いがほとんどわからない。11月末に農家民宿へ行った時にも、経営者が、このご飯は「コシヒカリ」と話されたが、毎日家でたべている「ヒノヒカリ」と、味の違いがほとんどわからなかった。非農家の人だったら、いろんな種類の米を食べているだろうから、味の違いがわかるのも知れない。その点、野菜は味の違いがわかりやすいと思う。たまに食べる他所の野菜のおいしさにびっくりすることもある。サツマイモやニンジンなどの根菜類は味の違いが出やすく、果菜類や葉物類は味の違いがわかりづらいように思う。そして、ハウス物より露地物の方が味はよいし、旬にできたものは、旬をわざとずらして作った物(値がよいから)より味がよい。
ただ、ほとんどの消費者は、今何が旬の野菜であるか知らないと思う。
 野菜の味は、農薬を使ったか使わなかったかは関係なく、肥料と土質と気候風土の3つで味が決まってくるように思う。味に最も大きなウエートを占めるのが「肥料」であり、その次が土質や気候風土と思う。
 
 
 

 野菜によっては雑草化するほど強い作物もある。「キクイモ」がその一つである。数年作ったが、こぶんこぶんしていて、出荷もしずらく、料理もしずらい。そして高木になり、台風で倒れやすい。果樹の根元などに芋を投げていたら、そこに根付くこともある。土手などにも雑草化したキクイモを見かけることがある。
 現在は5~6株だけ、絶やさないように(場合によってはすぐに増やせるように)作り続けている。名の通りの菊の花が咲くので、秋のお彼岸の墓花にもよい。1メートルほどになったら中心の枝を半分に切り戻して低くする。すぐにわき芽が伸びてくるが、わき芽も低く切り戻す。台風の前などにも、烈風で倒れない高さに切り戻す。
 料理法も味も「ヤーコン」に似ている。しかし、ヤーコンの方が外観がよいので出荷しやすい。逆にヤーコンよりキクイモの方が過湿や乾燥に強くて作りやすい。ヤーコンは過湿にかなり弱く、乾燥にも弱く、強い直射日光や高温にも弱いように思う。


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 師走になって、高病原性鳥インフルエンザの発生事例が、世界で急激に増えてきたと農業新聞に出ていた。自分は鳥インフルエンザの発生原因は、
(1)エサ
(2)買い方のシステム(小さな檻の中で前後にも動けない状態)
 の2つに原因があると思っている。渡り鳥などに原因があるとは決して思っていない。渡り鳥に原因があるなら、渡り鳥が大量に死んでいる現場に何度も出くわすはずである。
 毎日青菜をたっぷり食べ、太陽の光にあたって、動き回れるスペースがあれば、少々の病原菌には耐性があると思う。
 ニワトリでも牛でも現代は飼育現場が人間の目に触れることがほとんどなくなった。それくらい閉鎖的な空間で大規模に飼われている。これではそのなかの一羽(一頭)が病気にでもかかれば、あっという間に広がる。だから余計に病原菌や衛生面に敏感になり、各種抗生物質を多用するという悪循環に陥りやすい。大量飼育、密飼いという資本主義的飼い方のシステムに最大の原因がある。
 近在で発生しても、我が家のニワトリにうつることはないと思うし、自分の鶏舎が発生源になるとは、全く考えていない。
 ニワトリはますます自然環境から遠ざけられつつある。野鳥との接触の危険性があるので、屋根のない放し飼いは封じ込められようとしている。


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(今日の夕飯)
ホウレンソウのおひたし
お歳暮でもらったハムとブロッコリー
目玉焼き

 家人が忘年会等で帰りが遅い。一人早く食べた。


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牛乳も卵も食べないことが身体のため

 我が家では牛乳は飲まないし、料理に使ったりもしないので、ほとんど買わない。
 卵も、ニワトリの入れ替えの時に半年間ほど切れるが、その間あまり買わない。家のニワトリが産んだ卵は食べるが、買った卵は食べたくない。

 自分がニワトリを飼っているので、市販の卵がどんな卵か想像がつく。「表示の偽装」とかが、新聞紙上をにぎわせているが、良い卵は市場に出回らない。良い卵は生産者から直に顧客に売られる。表示の偽装など大同小異で、内容にあまり変わりはないと思う。卸やスーパーを通せば、素性はわからなくなる。生産者から直接買うか、自分で生産するしかない。

 売るほど飼育するのは大変である。青菜(雑草、野菜くず)がやれる量は、おのずから限界がある。毎日与えるには、50羽を超えると難しくなるのではなかろうか。30羽なら雨の日でも与えることができる。ニワトリの卵は前日に食べた物(エサの大半は輸入品)が、糞、あるいは卵として表現される。人間のう○こと同じである。
  
 有機の表示などあってもなくても、市販の卵にそんなに差はない。牛乳も卵も「食べない」ことが身体のためである。牛乳や卵から栄養素を取っていたのは一昔前の話。今はそれらを口にすることによって逆に「毒素」を口に入れることにつながっている可能性もある。
 栄養を取るという考え方よりも、身体に入れないことの方が大切と思う。


産官学連携し、環境にやさしい病虫害防除セミナー 
 
 防除法は「シンプルに攻める」、ただそれだけだと思う。
(1)特定の野菜だけを、多量に作らない
(2)多種類作ると、単作より、病害虫は少ないと思う
(3)多種類作ると、それぞれの作物に益虫、害虫がやってくる。益虫と害虫に戦ってもらう 
(4)旬に徹底的に忠実な作付をする
(5)連作をしない。
(7)風通しと日当たりに留意する・・・ハウス作物は病虫害に弱いと思う
(8)病害虫の多い作物は、それぞれの田んぼで、数年の内にわかってくるので、そういう作物の作付は必要最低限に留める。
 しかし、そんな農業形態はビジネスとして成り立たない。
 

新規就農情報
高知県
 高知県を通る439号線の沿線沿い5町村で作る439(よさく)有機協議会が本格的に動き始めた。地元に開校した有機の学校「土佐自然塾」の卒業生らを中心に据え、国道沿線を有機農業の先進地にする考え。・・・→今年度は、自然塾の初年度卒業生6人が国道沿線で就農している。塾には2期生11人が研修しており、卒業生を中心に、有機の里作りを進めていく考えだ・・・→現在は各県にいろんな支援制度があるので、どういう研修制度が自分に最も適しているか、1年ほどかけてよく調べるとよい。
 
 行政(農業改良普及所等)、市町村役場や農協、図書館、日本農業新聞、日本有機農業研究会 インターネット等
 
 有機農業は作ることよりも、販路の開拓が難しい。販路が安定していれば安心して農作業に励める。個性にもよるが、単独の販路より、グループで売ることができればより安定すると思う。

島根県
 
就農チャレンジ科・・・→島根県出雲市などが手掛ける出雲市アグリビジネススクールは9日、市内で2007年度の就農チャレンジ科開講式を開いた。果樹栽培を学ぶ3講座に36人が入校し、新たな挑戦を始めた。同科は、新たに就農を目指す人を対象にした講座で、品目ごとにブドウ9人、柿10人、イチジク17人が入校した。兵庫県からIターンして入校した○○さんは・・・。
 
 農業新聞に出ていた記事を紹介するくらいしかできません。具体的なことはインターネットで検索したり、電話で問い合わせてみて下さい。
 

黒マルチ
 
 「買い物のマイバッグ運動」を目にする度に、自分が田んぼで多用している「黒マルチ」に意識が行く。旬に忠実に、ハウスを持たず、シンプルに攻めているのに、黒マルチだけ止めれない。自分を納得付けるわけではないが、農業新聞にも次のような記事が載っていた。
『イチゴの苗が余っているのなら学級園に植えてほしいとの依頼を受け、夫婦で行ってきました。2畳ほどの畑に肥料をいれ、畝を立て、苗を植え、潅水チューブも入れてマルチを掛け、全ての工程を全員で体験しました。
 肥料がどういう働きをするのか、なぜマルチを掛けるのか、などを子供たちに説明するのに、わたしも夫も四苦八苦でした・・・。』
 

豪州の大干ばつ
 
 農業新聞に2回に分けて大きく取り上げられていた。干ばつは地球温暖化による構造的なものではなく、15年周期で変動する乾燥期間にぶつかっているだけという期待を込めた見方もあるようである。

 水の量によって作付が決まると思う。例えば、大量の水が必要なサトイモは現在は150株ほどしか植えていない。田んぼの畦岸の細い水路から、稲のように水を引くことができた時には、現在の3倍ほどのサトイモを作付していたこともある。現在は田んぼの一角に掘った井戸水しか使っていないので、水量にはおのずから限界がある。

 
 稲作の水も現在はカネがいる時代である。田んぼのすぐ上にある池は、渇水で田んぼの水が足らなくなった時には、県下三大河川の一つである吉井川から水をポンプアップする設備ができているので、それが稼動した時には、稲作農家は水代がかかる。
 
 サトイモには多量の水が必要であるが、夏野菜は全般にどの作物にもかなりの水が必要である。
キュウリ、ナスビ、ピーマン、オクラ
ニガウリ、ヤーコン、ミョウガ
エンサイ、ツルムラサキ、青シソ
 
 ハーブでは
スイートバジル イタリアンパセリ
 
 果樹では
キーウイ

 自分の場合は井戸水の水量だけで十分に足りている。水量よりも「水やりの手間」が取れるかどうかの方が問題である。
 作付面積がしれているので、水の心配はさほどしていないが、定期的に雨が降ってくれれば、水やりがまぬがれるので、時間的には大いに助かる。
 夏野菜の水やりよりも、ここ数年は秋雨前線の停滞がなく、9月、10月に雨が少ない。秋冬野菜に最も水が必要な時期に雨が降らないので、この時期の水やりの方が大変である。
 これから農業を始める場合には、地球温暖化による干ばつを考慮に入れて、水をどこから調達するかよく調べておく必要がある。

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(今日の夕飯)
サトイモの煮物・・・前夜の残り
豆ご飯・・・・・・・・・・前夜の残り
ホウレンソウ・・・・・前夜の残り
湯豆腐・シュンギク・・・ドレッシングで食べた

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畜産、経営方法の誤り

 農業新聞に「鳥獣害対策」の出ない日がない。それくらい農作物はカラスや、イノシシ、シカの被害を受けている。そういうことが常に頭にあるので、山の中でしばしば、「ここは鳥獣保護区域になっています」などの標識を見ると、無性に腹が立つ。
 
 鳥、獣は狩猟しなければ、いくらでも増える。地球温暖化が原因と思える異常気象で、ただでさえ農作物が作りづらくなっているのに、丹精込めた野菜が収穫直前にこれらの害獣にやられてしまうなら、ますます農業は割に合わなくなる。誰のための、何のための「鳥獣保護区域」なのか、全くもって意味がわからない。
 
 先日の農業新聞に「モンキードッグ」という、猿を追い払うための訓練を受けた犬が出ていたが、育成費用は1匹あたり20万円近くかかるらしい。猿害対策は防護柵だけでは限界がある。猿が出ても大地にしがみついて農業を続けなければならないのだろうか。そんな食料難の時代が近い将来くるような気もする。
 

 
 飼料が高騰している。畜産の生産費に閉める飼料費の割合は40~60%と高く、飼料費の高騰が経営の悪化につながっている・・・それは、そういう経営のやり方に問題がある。動物飼育は自給できる飼料の範囲内で考えるべきだ。自給できる飼料は、ニワトリで30羽くらい、牛なら1頭だと思う。45年ほど前まではこういう飼い方だった。
 
 普通に考えてみて、海外から安価な飼料を大量に購入して動物をたくさん飼うという方法は極めて不自然であるが、それを不自然と思わせないくらい安価な飼料が海外から輸入できていたので、ビジネス的にはそういう飼い方が近代的であるとか効率的であるとか言われた。
 
 しかし飼料の高騰が新聞紙上をにぎわすようになるにつれて、海外飼料を購入して大規模に飼うというやり方が経営的に成り立たなくなった。それなら、本来の「地域循環」である、地域で取れたものをエサにして、そのエサがやれる範囲内の頭数を飼うというやり方に変えていく必要がある。そんな「ままごと」みたいなことをしていたら「飯が食えん」と思っても、それが本来の正しい飼い方であり、現在の経営方法が誤っている。

 45年前には
ニワトリ・・・肉の供給、卵の供給、糞の供給という3拍子だった
ウシ・・・田んぼの耕運、肥育して売るもしくは乳牛の乳を売る、糞の供給という3拍子だった
 
 そしてエサは
ニワトリ・・・買ったエサ、ヌカ、コゴメ、くず野菜、草
牛・・・草

 飼料の高騰、輸入の減少のような状況では、規模を縮小して身の丈の畜産にせざるをえないのではなかろうか。規模拡大という資本主義的路線は完全に行き詰まりである。
 縮小は、後退や敗退ではない。斬新な前進である。そういう経営方法で最低限の生活がまわっていかないのは、そんな社会システムや経済システムが誤っている。変えることができないなら地球温暖化も阻止できない。
 今後は、
エネルギーと食料の間の、農作物の奪い合い
工業と農業の間の、水の奪い合い
 が始まるらしい。
 

  
 医療制度の崩壊も深刻らしい。その原因として、医師総数そのものが先進諸国の中で圧倒的に少ない現実が指摘されているが、岡山大学医学部の定員は120人。県下の新規就農者数は毎年120人前後で推移している。つまり、医者と農業者がほとんど同じ人数である。医者の定員は確かに少ないかも知れない。しかし、農業者の数も幾何学的な数字である。医食同源と言われるが、農業者の数がこれでは、食べ物の状況も寒々しいものがある。これでも食料が足りているのは、海外から大量の農作物が輸入されているからである。
 
 普通に農業をして、農業でも何とか最低限の生活が維持できるなら、こうも農業者の数が減らないはずである。この状況をおかしいと思わないくらい国民感覚が麻痺している。こうまで農業者が減っているのは極めて異常な状態である。それくらい農業を職業にすると「食べて」いけれない。


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(今日の夕飯)
ハクサイの水炊き・・・昨日の残り
ホウレンソウのおひたし・・・初物
サケ

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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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